表彰台を射程に捉える4番手エバンス「戦うためのモチベーションが上がった」/WRC第10戦ギリシャ デイ3後コメント

 9月10日(土)に行われたWRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』のデイ3は大荒れの展開に。セバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)をはじめとする前日のトップ3が揃って脱落したほか、さまざまなアクシデントが選手たちを襲う“サバイバル”の様相を呈した1日となったなか、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が新たなラリーリーダーとなっている。そんなデイ3を終えた各陣営からドライバーコメントが発表されている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●クレイグ・ブリーン(#42 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合6番手

「ラフだしきついし暑いよ! 他のみんなはトラブルに遭ったようだが、僕たちにはまったくなかった。クリーンな1日だったけれど、昨日もそうだったらよかったのにと思うよ。マシンには充分な速さがあるが、出走順がよくなかっただけだ」

●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合5番手

「とても慎重になって、いかなるリスクも冒さずに1日を終えた。この順位に戻ることが重要だった。サービスでチームは素晴らしい仕事をしてくれた。ギヤボックスとデフを交換してくれたんだ。彼らに感謝しているよ」

※いずれもSS13直後のインタビューより

クレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ
ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合首位

「力強い1日になったし、ヒョンデがワン・ツー・スリーを決めたのは素晴らしいことだ。僕たちの目標は、昨日のリズムを維持することだった。いくつか変更を施すと、午前中は実際にフィーリングが良くなった。スペアタイヤを2本積んでいたのに少し速く走行することができた。いいタイムを出し、首位を獲得してリードを広げられた」

「午後もスピードが出ていた。でもいくつか対処しなければならないこともあった。2回目のループの最初のステージでタイヤを酷使してしまったし、走行中にいくつかテクニカルトラブルが起きた。大ごとではないことが分かったが、それでも少し心配だったよ。最終日の目標は、3台すべてを持ち帰って表彰台を獲得することだ。信じられないような結果になるだろう。僕たちは集中を継続しなければならない」

●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合2番手

「今日は車内が信じられないくらい暑くなった。まるでサウナのようで、暑さに苦しんでいたよ。コクピット内の電気部品やなにかをすべて冷やす必要があったけれど、クルーにも負担がかかっていた」

「全体として、チームがワン・ツー・スリーを達成したのはとてつもない好結果だ。他のクルーはトラブルに見舞われていたし、リタイアも目にした」

「優勝を争うマシンを持ちたいと思っていたから、苛立つ時もあった。いくつかの問題のせいでペースを落としてしまったんだ。とはいえ、マシンを進めていくことができた。これもまた、最高の仕事をしてくれたチームのおかげだ」

●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合3番手

「3台のヒュンダイのクルー全員によってタイムシートの1位、2位、3位が占められているのは素晴らしいことだ。たとえ明日最後の3ステージが残っていると分かっていても、チームにとって最高の気分とモチベーションになる」

「このラリーでのマシンの挙動はかなりいいよ。いくつか変更をしてフィーリングがよくなり、2回目のループでは全体的にグリップが少し増した。完全に完璧ではなかった。ハイブリッドのトラブルがあったし、タイヤにも注意を払う必要があった」

「最終ステージでは絶対にミスをしたくなかった。簡単な1日ではなかったが、僕たちの調子はいいよ。明日もこれらの順位を確保するために集中しなければならない」

ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ
ダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ
オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合4番手

「今日はクルマの中で過ごすのが大変で、午後の一番長いステージは暑くてとくに大変だった。それでも、午前中よりも午後の方が良いパフォーマンスを発揮することができたよ。クルマのフィーリングが良くなったし、路面のコンディションも午前中から大きく変わり、私たちには合っていたようだ」

「上位の選手に近いタイムが出るようになり、表彰台を狙うことができる位置につけることができたのは良かった。明日に向けて、戦うためのモチベーションが上がった。ライバルにプレッシャーをかけ続けるために、明日もベストを尽くすよ」

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合19番手

「今朝も、昨日に続き非常に困難な状況だった。最初のステージは昨日よりもプッシュしたつもりだったが、それがタイムには表れなかったんだ。次のステージでは、予想よりも滑りやすくなっていたコーナーで少しミスをしてコーナリングラインが膨らみ、アウト側の何かに当たりクルマのリヤを破損してしまった」

「あのミスさえなければ今頃ポイント圏内に入っていたはずなので、悔やまれる。明日は何ができるかわかりませんが、もちろん自分ができる限りのことをやるつもりだ」

●エサペッカ・ラッピ(#4 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイリタイア

「午前中のステージは本当にトリッキーだった。昨日と比べると路面コンディションが少し違い、砂状でクルマに合っていないように感じた。もっと目が粗くてラフな路面の方が、自分たちには合っていたと思う」

「それでも総合2位といい順位につけていたし、再走ステージではクルマのフィーリングも良くなった。しかし、午後の2本目のステージで燃料システムに問題が発生し、スロットル操作に対するレスポンスが得られなくなってしまった。とても残念だけど、このラリーではポジティブに思えることもある。いくつか課題がありながらも、何とか戦えることができていたことにはとても満足しているんだ」

エサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ
カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ

© 株式会社三栄