<デジタル発>石狩市に「灯台お兄さん」出没中 「不気味だ」…人気広がる?

 今年、初点灯から130年の節目を迎えた北海道石狩市浜町の石狩灯台。赤と白のコントラストが目を引くこの灯台を模して、顔面を赤白に塗った「石狩灯台お兄さん」がじわりじわりと知名度を上げています。この男性、実は石狩市の職員。歴史ある灯台をPRしようと、灯台に関するイベントには必ず姿を現します。見た目から、高校生に「気持ち悪い」と笑われることもあるというキャラクターですが、これから人気が広がるかもしれません。(報道センター 今関茉莉)

 「灯台お兄さん」に扮(ふん)するのは、石狩市出身で同市の図書館に勤務する高木順平さん(38)。190センチの高身長を生かし、自主的に5年前から活動を始めました。高さ13.5メートルの石狩灯台は明治時代に建てられ、現存する北海道最古の灯台とされます。「最初は周りの人を喜ばせようと始めたのですが、少しずつ増えたファンのために続けています。灯台の魅力に気付くきっかけにもなってくれれば」と話します。

 高木さんによると、「灯台をもっと愛してほしい」と願い、地上に舞い降りた石狩灯台の妖精に、高木さんが体を貸し出したというのが「設定」だそうです。「妖精降臨の儀」と称してメークアップを担当するのは、石狩観光協会職員の野村彩夏さん(33)。野村さんは「全国多数あるゆるキャラに埋もれない、とがった存在にしたい」と目の縁を黒で囲うなど、細部にも気を使っているといいます。記者の私から見ても、キャラとして十分すぎるほどとがっていると思いますが…。

 きっかけは何だったのでしょう。灯台お兄さんの始まりは、2017年にあった石狩灯台初点灯125周年記念の市民向けバスツアー。当時、商工労働観光課にいた高木さんは、協力してくれるボランティアへの感謝の思いから「何か盛り上げられないか」と発泡スチロールで灯台風の帽子を作りました。ツアー当日に被って案内すると、参加者は大笑い。「想像以上の反響だった。またやりたいと思った」(高木さん)そうです。

 翌18年のイベントでは、帽子を厚紙と画用紙で作り直し、衣装も赤と白のストライプの服を購入し、顔を赤一色に塗りました。すると、子供が「怖い」と逃げ、高校生たちが笑いながら「気持ち悪い」と写真を撮ってくれました。そんな反響を見て「楽しんでもらえている」と確信したそうです。 【関連記事】 ⇒<デジタル発>記事一覧 ⇒石狩市広報紙がパワースポット特集 観光協の野村さん監修 ⇒秋の味覚、石狩管内で楽しもう オータムフェスト皮切りに催し続々 ⇒大型ガ「クスサン」浜益、厚田でも大発生

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