喉に違和感!もしかしてコロナ?原因はまさか○○だった!管理栄養士が解説します

「産業保健新聞」運営元、ドクタートラスト管理栄養士の宮野です。
先日、社員から以下のエピソードを聞きました。

喉がイガイガするような違和感を感じ、「コロナかも?」と心配に。症状が起こるタイミングを思い返すと、豆乳を飲んだ後に起きていた。

調べたところ「豆乳アレルギー」だったとのこと。
味噌や納豆などの大豆食品を食べても症状はでなかったとのことで、同じ大豆食品である豆乳がアレルギーであることに気付かなかったようです。
国民生活センターでも、この社員同様に「豆腐等の大豆製品を食べても特に何も起きたことはないけれども豆乳を飲んだ後に喉にイガイガしたような違和感を抱いた事例」が紹介されています。

口腔アレルギー症候群とは?

生の野菜や果物または豆乳などを飲んだ際に、口腔や咽頭になどにかゆみやしびれ、腫れ、イガイガする違和感を感じたことはありませんか?
口や舌、唇、喉などにかゆみやしびれ、腫れ、イガイガする違和感などの症状があらわれることを「口腔アレルギー症候群」といい、こうした食物アレルギーをもつ人が増加しているとされています。
アレルゲンが消化酵素によって分解されやすく、胃や腸に吸収される段階では壊されていることが多いため、全身ではなく口腔や咽頭にでのみ症状が起きることが多いとされます。
しかし、アレルゲンの種類によっては鼻づまりや鼻水、目の痒みや充血など花粉症に似た症状や、じんましん、腹痛、嘔吐、下痢、重篤な場合には、血圧低下などアナフィラキシー症状が起こる場合もあります。

花粉症の方はこうした食品を食べた時に、症状があらわれませんか?

生野菜や果物のアレルゲンは、花粉のアレルゲンと構造が似ているため、花粉症の方が生野菜や果物を食べて口腔内アレルギー症候群を起こすケースがあります。
花粉症の方は、ご自身の花粉症の種類と交差反応(アレルギー反応)が報告されている食品を把握しておきしょう。

原因食物を可能な限り避けながら栄養状態や食事の質は落とさないように気をつけましょう

口腔内アレルギーに限らず、食物アレルギーの基本的な対処方法は、医師の診断に基づいてアレルゲンが含まれる食品を食べないようにすることです。
栄養状態が悪くなることを避け、健康的に過ごしていけるように食品を控えることを必要最小限にとどめるのが重要です。
また、アレルギー症状がでていない食物でも、「あれもこれも食べない」という判断によって栄養状態が悪化することには注意が必要です。
今回のように豆乳を飲んでアレルギー症状がでても豆腐を摂取してアレルギー症状があらわれない場合は、豆腐を控える必要はありません。
さらに、新鮮な野菜や果物を長期的に控えすぎてしまうと、倦怠感や筋力の低下、筋肉痛や関節痛などの症状を起こすビタミンC欠乏症を起こすことがあるため注意が必要です。
その場合はビタミンC剤やサプリメントで栄養を補うことも視野にいれる必要があるでしょう。
また、野菜や果物のアレルゲンは、熱で分解されるものも多いため、加熱することで症状がでないものや軽い口腔症状だけなら少量を食べても問題ないとされています。
ただし、呼吸器の症状(声のかすれ、喉が締め付けられるような感覚がある、呼吸困難、咳など)、消化器の症状(腹痛、吐き気、嘔吐、下痢)、循環器の症状(脈がはやくなる、手足が冷たい、唇や爪が青白い、血圧低下)、神経の症状(元気がない、ぐったりする、意識がもうろうとする、尿や便をもらす)があらわれる場合は、迅速な対応(救急車要請、搬送やエピペン®)が必要な場合もありますので覚えておきましょう。
大人になってから発症する食物アレルギーが増えています。
身体にあらわれる不調が、実は食物アレルギーが原因だったというケースもあるかもしれません。
健診機関によっては健康診断といっしょに食物アレルギー検査を行うことができる場合もありますのでぜひ一度実施してご自身のもつアレルギーを確認してみても良いかもしれませんね。

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