舞台と映像の“二刀流”で 長崎県ゆかりの俳優・田中梨瑚

「型にはまらず、いろんな役に挑戦したい」と語る田中梨瑚=長崎新聞社

 長崎県ゆかりの俳優、田中梨瑚(19)が8月、長崎市に“里帰り”し、長崎新聞社を訪問。来年2月に20歳になるのを前に「これまでは舞台が中心だったが、今後は映像作品と“二刀流”で活動したい」と抱負を語った。

 田中は東京出身。長崎市出身の俳優で父親の田中優樹(49)が代表を務める芸能事務所「ユーキース・エンタテインメント」(東京)に所属。6歳からCMやテレビ番組、映画、舞台などで活躍してきた。
 今年1月から放映中の「岩崎本舗 長崎角煮まんじゅう」のCMに出演しており、本県のお茶の間でも見知った顔に。「長崎の方々に私のことを知ってもらえた」と喜ぶ。
 今回の帰省では、5月に亡くなった長崎の祖父を供養する精霊流しにも参加した。「精霊流しは曽祖父を送った時以来、8年ぶり。東京では見慣れない光景に、聞きなれない(爆竹や鐘の)音。とても新鮮、でも懐かしい気持ちも味わわせてもらった」と言う。
 昨年は大人気漫画原作のミュージカル「美少女戦士セーラームーン かぐや姫の恋人」で主役を演じた。今年11月にはその原作漫画連載30周年を記念したミュージカルで再び主演を務める。「多くの人に親しまれてきたセーラームーンに選ばれた責任を感じる。大切に演じて、すてきな世界を届けたい」と意気込む。

田中がオストメイトの女子高生(右)を演じた「あなたの笑顔がくれたもの~周りから見えにくい障害・生きづらさ~」の一場面(東映教育映像部提供)

 映像作品で最新作となるのは、東映が企画・製作した人権啓発DVD「あなたの笑顔がくれたもの~周りから見えにくい障害・生きづらさ~」。オストメイト(人工肛門保有者)の女子高生役で出演。明るくにぎやかな性格だが、「障害者だからかわいそう」というレッテル貼りに複雑な思いを抱いている役どころを、自然体で演じた。
 目標とするのは、戸田恵梨香や吉高由里子ら「かっこいいけど、コミカルなお芝居もできる女優」。これまでは物語でのヒロイン的な役柄が多かったが、「悪者や犯人的な役、お笑いポジションの役などにも挑戦してみたい。型にはまらず、どんな役でもやれるようになりたい」と俳優としての成長と飛躍を誓った。


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