有害鳥獣問題を学ぶ 対馬グローカル大学 現地で実習

島おこし協働隊員(手前)からくくりわなの仕掛け方を学ぶ大学生たち=対馬市峰町

 国際的な視点で地域課題を解決できる人を育成する対馬市のオンライン講座「対馬グローカル大学」の現地実習が8月31日から9月2日、市内であった。同講座を受講する島外の学生が、対馬の山林に赴き、有害鳥獣問題などを学んだ。
 講座は国連の持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けた取り組みの一環で2020年度から開始。専門家の下、少人数グループで学ぶ「オンラインゼミ」(8種類)では、現地実習に取り組み、対馬の地域課題や可能性を考える。
 今回は大学生対象のオンラインゼミの現地実習で、同市出身者を含む14人が参加した。1日は市島おこし協働隊員からイノシシ、シカの食害などについて座学で説明を受け、峰町の山林に移動。協働隊員からくくりわなの仕掛け方を学んだり、食害などの影響で絶滅が危惧される対馬固有のチョウ「ツシマウラボシシジミ」の保護区を見学したりした。
 島内の空き家や藻場、林業などの現状も学び、同市出身で西南学院大3年の武本倖奈(ゆきな)さん(21)は「イノシシやシカの被害は何となくイメージで知っていたが、実際に現場を見て地面に草がほとんど生えていないのは想像以上だった」と話した。

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