攻めの商品開発で、まちづくりにも貢献/株式会社丸ふじ社長・後藤祐平さん

西日本新聞社北九州本社が制作するラジオ番組「ファンファン北九州」。地元新聞社ならではのディープな情報&北九州の魅力を紹介しています。ラジオを聞き逃した人のために、放送された番組の内容を『北九州ノコト』で振り返ります。

食を通じてまちづくりができれば…

甲木:おはようございます。西日本新聞社 ナビゲーターの甲木正子です。

梁:同じく、西日本新聞社の梁京燮です。

甲木:梁さん、今日のゲストはお弁当屋さんですよ!はい。お弁当製造販売の、株式会社丸ふじ社長、後藤祐平さんです。よろしくお願いします。

後藤:よろしくお願いします。

梁:よろしくお願いします。

甲木:丸ふじさんといえば、市内の百貨店とかスーパー、駅ビルなどで手広くお弁当を販売なさっている他、銀河鉄道999とのコラボ弁当やレトルトカレーとか、ユニークな商品がたくさんあります。地元の人にはもうかなりお馴染みなお弁当屋さんなんですけど、北九州以外のリスナーや、北九州に転勤してまだ間もない人のために、ちょっと会社概要をご説明願いますでしょうか?

後藤:はい。創業が1984年の8月7日です。今の会長が私の父ですが、父はまず学校の先生をやった後、惣菜業に就きました。父は北九州大学に通っていた時にアルバイトをしていたスーパーの上役から誘われ、10年やっていた学校の先生を辞めて惣菜業に入ったんです。それからその会社の社長となって、50歳で丸ふじを起業しました。私は2001年に2代目社長になりました。

甲木:看板商品といえば、まずは小倉牛丸むすびでしょうか?

後藤:そうですね。その当時、あんまり小倉牛って知られてなかったので、こういうことでコツコツ、まずは地元と県外に向けて、食を通じてまちづくりができればという思いがありました。

あの名作とのコラボ弁当、実現の瞬間

甲木:地元の食材を大事にされているところが、すごく丸ふじさんの特長だと思います。あと、普通のお弁当屋さんのような、駅で駅弁を置いてもらいますとか、百貨店でうちのお弁当を置いてもらいますとか、なんかそういう感じではないんですよね。すごく攻めるんですよね。ここに置いてある、コラボ弁当がまたすごいです。松本零士さんとのコラボがありますね。

後藤:九州新幹線が開通する頃、テレビ局から「丸ふじさんはいろいろコラボ弁当を作っていますが、今回の開通でも作るのですか?」と聞かれ、「漫画ミュージアムもできることだし、銀河鉄道999さくらを作りたい」と言ってしまったんです。その時は松本零士先生も全然面識はなく、もう雲の上の存在で会うための手段もわかりませんでした。でも作りたいと言った手前やらないといけなくなって、何回かファックスでお願いしたりしました。テレビ局からも「とにかくやり遂げてほしい」と言われ、テレビ局が一緒に飛行機に乗り、ロケバスを出してくれて、松本先生のアポが夜中の0時にとれたんです。

甲木:うわぁー!夜中の0時に(松本)零士先生に会いに行ったんですね。

後藤:はい。それで事情を話して、「これで町おこしをしたいのだけど協力していただけませんか?」と言って、松本先生も地元愛が強いので、説明に対し「わざわざ来ていただいて、こんな話を聞いたので、なんとか協力しましょう」と言っていただけたんです。そして最後に言われたのは「時は夢を裏切らない。夢もまた、時を裏切ってはならない」「あなたが思い続けてここに来られたから、夢が叶ったんだよ」みたいな話をしていただきまして。「すごいなぁ、このフレーズは」と思いました。あと「この目標が叶ったったら、次の目標を持ちなさい。何でも思えば叶う」と言われ…。

梁:熱いっすねー!

後藤:はい。その言葉を聞いたときには「本当にやってきてよかった」と思いました。

甲木:でも、初対面の方にそういうことをおっしゃってくださるってすごいですね…。

後藤:すごいです。それでそのときは先生も時間がないからって言われていて、会う前に、もう30分ぐらいしか会えないよとか言っていましたが、結局0時から始まった対話が終わったのが4時半でした。

甲木:熱い!

後藤:先生も盛り上がりまして、砂津長浜から藍島や巌流島まで泳いだ話とか、もういろんな話を4時半くらいまでしていただきました。

甲木:そうなんですね。そうして出来たのが、このパッケージにメーテルが描かれた弁当なんですね。

学生との共同開発も…

後藤:今力を入れているのは竹炭コロッケといいまして、今日も単品でおかずだけ作ってきました。

梁:ありがとうございます!

後藤:中に竹炭パウダーが入っていて、外側は普通のコロッケですが、切ると真っ黒みたいな…。

甲木:なるほど…。

後藤:小倉商業高校の学生さんと一緒にやっています。小倉南区では竹害があり、SDGsの観点から丸ふじとしても取り組みたいと考えました。11月にあるHorasis(ホラシス)というあの国際会議のテーマがSDGsなので、その会議で食べていただきたく、学生さんと開発をしています。

甲木:そうなんですね…。本日は北九州でお弁当の製造販売をしている丸ふじ社長、後藤祐平さんをお招きしてお送りしました。後藤さん、どうもありがとうございました。

後藤:ありがとうございました。

〇ゲスト:後藤祐平さん(株式会社丸ふじ 社長)

〇出演:甲木正子(西日本新聞社北九州本社)、梁京燮(同)

(西日本新聞北九州本社)

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