ドローン物流トップ企業が現状と未来を語る[Commercial UAV EXPO 2022]

txt:Yoshi SHIOMI 構成:編集部 Commercial UAV EXPO 2022 最終日のキーノートは「Defining the Future Drone Delivery(これからのドローン配送の定義とは)」と題して、今後のドローンデリバリーがどうなるのかが話し合われた。

参加者は、Jay Merkle (FAA)(モデレータ)、Dallas Brooks (Wing)(一番左)、Sean Cassidy (Amazon Prime air)(左から2人目)、Jim O'Sullivan (Matternet)(右から2人目)、Tom Walker (DroneUP)(一番右)など、4人のデリバリー界のビッグショットが一堂に会する形となった。まずはそれぞれが自社の運用状況などを発表し、WingのDallas氏は語った。

WingではNESTと呼ぶシステムを運用しており、いくつかのプロペラが壊れても飛んでいけるくらい安全性を重要視しています。またローコストでやっていくことにも注力しています。基本的にドローンは地面には降りず、20フィート上空からウィンチで降ろします。

現在3ヵ国、フィンランド、AUS、USで操業しており、これまでに2万回以上のデリバリーを完了。満足度調査では90%以上のお客様から高評価をいただいています。

DroneUPのTom Walkerは以下のように述べていた。

ウォルマートからCovid-19のテストキットのデリバリーの依頼があり、ドローンデリバリーを実施してきました。毎日12時間体制で運用しており、利用のリピート率も70%と高くドローンデリバリーに対する人々の許容度が変化してきたことを感じています。私たちのシステムはオーダーが入るとなるべく人の上空を飛ばないように自動的にルートを計算し、また飛行途中でも何か検知すれば自動的に再ルート設定するようにアルゴリズムが組まれています。 Amazon Prime AirのSean Cassidyは以下のように述べていた。

これまで様々な機体をテストしてきました。信頼性、安全性、効率性など、どうすれば、信頼性のある機体で我々の今のシステムに適合していけるかなどを検討してきました。

私たちの機体は全方向に進むことができることも特徴的な部分です。また、危険回避に関しては研究に研究を重ね、基本全部自動化されておりマニュアルでオーバーライドできないような仕様になるよう改良し続けています。

今後のドローンデリバリーに関してTom(DroneUP)は、以下のようにコメントした。

企業を跨いでデータを集めて、どういうものが理想かを検討しながら、最適化していくことが重要で、今はその最中だと思う。そしてドローンだけでなく、ロボティクスというバーティカル全体で進歩していくことが必要になってくるだろう。

最後にFAAのJay Merkle氏が、「いつもなら30秒でこのパネルのまとめをするなら?と聞くところだが、今回は趣向を変えて、もし新製品発表会で登壇する時のBGMには何を選ぶ?としたい」と質問した。

Jay Merkle氏は、FAAの公式見解ではなく、個人的回答として「DUA LIPAのLevitating(浮遊術)を選ぶよ」と答えて会場を沸かせて終了した。

▶︎Commercial UAV EXPO 2022

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