有害フッ素化合物、再検査でも検出 米海軍横須賀基地排水 上地市長「常態化」と抗議

国の担当者から説明を受ける上地克明市長(右)=横須賀市役所

 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)排水処理場の排水から人体に有害な有機フッ素化合物「PFOS」「PFOA」が検出された問題で、横須賀市は12日、米軍の再調査でも暫定目標値を超える有機フッ素化合物が検出されたと発表した。有機フッ素化合物は海に排出されており、同市の上地克明市長は「(流出の)常態化と受け止めざるを得ない」と米軍に抗議した。

 米軍が7月に行った調査結果を国が同日、市に報告した。排水処理場の排水口から1リットル当たり112ナノグラム(PFOS・PFOAの合算値)が検出された。環境省が飲料水に定める暫定目標値である同50ナノグラムの2.24倍となった。

 米国は日本より厳しい環境基準を設けている。米国の飲料水における生涯健康勧告値(生涯飲み続けても健康に影響が生じないとみられる水準)では、PFOSで勧告値同0.02ナノグラムの4850倍、PFOAで勧告値同0.004ナノグラムの3750倍となった。

 米軍が同じ場所で行った5月の調査で同112ナノグラム(合算値)が検出されたことから再検査を実施していた。処理場に入る汚水はいずれの地点でも暫定目標値以下だったことから、施設内で流出した可能性があり、米軍が引き続き原因究明を進める。

 また、国が6月30日に基地周辺海域3カ所で行った調査では、環境省の暫定目標値を下回る同1.6~1.8ナノグラム(同)だった。

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