オミクロン株対応ワクチン、2社同時に特例承認 9月中にも接種開始へ

 厚生労働省は12日、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチン2種を同時に特例承認した。対象年齢がそれぞれ違っており、米ファイザー製は12歳以上、米モデルナ製が18歳以上となっている。接種できるのはともにこれまで2回以上ワクチン接種した人に限る。

来週から配送開始、今月中にも接種可能になるか

 今回特例承認された2社のワクチンは、従来株に加え、「BA.1」と呼ばれる変異株にも対応したいわゆる「2価ワクチン」と呼ばれるもの。現在主流の「BA.5」にも一定の効果があるとされる。臨床試験では、感染予防効果を発揮する中和抗体の量が、従来のワクチンを追加接種した場合と比べ、ファイザー製は1.56倍(56歳以上)、モデルナ製は1.75倍(18歳以上)増加したとされている。

 承認を受け、政府は来週19日ごろからファイザー製約2800万回分、モデルナ製約200万回分を自治体へ配送する。接種はまず4回目接種の対象となっている60歳以上の高齢者、基礎疾患のある人が優先対象となる。その後医療従事者などのエッセンシャルワーカーへ広げる。

 政府は秋以降の流行に向け、接種ペースを1日100万回に再び加速させる意向を示しており、国としては自衛隊運営の大規模接種会場、自治体には集団接種会場の活用促進を求めていく。

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