横浜市、IR誘致撤回で最終報告「不確定要素が多く、経済効果にリスク」 概要判明、13日公表へ

横浜市役所

 横浜市の山中竹春市長によるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致撤回を受け、IR誘致の経緯を検証していた市が外部有識者などの意見を踏まえて取りまとめた最終報告の概要が12日、判明した。IRは不確定要素が多く、経済的効果などが期待通りにならない事業リスクがあったとする内容を盛り込んだ。13日に開かれる市会常任委員会で公表される。 

 検証は、前市長時代に市民の賛否が分かれる中で推進したIR誘致を振り返り、今後の施策に生かすのが狙い。山中市長が「誘致の経緯や反省すべきことを振り返る」として作成を指示していた。

 最終報告は、市が2月に示した誘致を巡る意思決定の経過や検討内容をまとめた中間報告を踏襲しながら、▽外部有識者による考察▽今後の施策への活用等▽市におけるIR誘致の取り組みの振り返り─といった新たな項目を追加した。

 全体の総括に当たる「市におけるIR誘致の取り組みの振り返り」では、経済的社会的効果について「IRは不確定要素が多く、効果が期待通りにならない事業リスクがあった」と明記。オンラインカジノの台頭や新型コロナウイルス感染症の流行、経済効果の下振れリスクなどを列挙した。

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