玉城・沖縄県知事「政府・国会は限界」 辺野古新基地阻止、国連提起へ 再選インタビュー

 琉球新報社は12日、11日投開票の沖縄県知事選挙で再選を果たした玉城デニー氏を那覇市泉崎の本社に招き、2期目で重点的に取り組む政策などについて、インタビューした。玉城知事は米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、県知事の権限を行使し、引き続き基地建設の反対を訴えていく姿勢を強調した上で「国連や国際社会の場に沖縄県民がなぜ、(反対を)訴えているのかを幅広く語っていく」と述べた。次年度予算の編成過程で、沖縄の基地集中や日米地位協定の不条理さなどを国連など国際機関に訴えていく考えを示した。聞き手は島洋子編集局長。
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  国連での演説などが実現すれば玉城知事としては初となる。過去には2015年9月に翁長雄志知事(当時)が国連人権理事会で演説した。県民への過重な基地負担の継続と名護市辺野古の新基地建設は人権侵害に当たると訴えた。
 玉城知事は辺野古新基地について「1期目をやってきて、県民から信任を受けた。辺野古反対で県民も1ミリもぶれずに応援してくれていることが選挙結果で証明された」と述べ、自身の当選で反対の県民意思が示されたとの考えを強調した。
 政府との関係を巡り「今の司法の限界、憲法を守らなくてもいいという政府、国会の限界が露呈している。それにおもんぱかっていても、しょうがないと思う」と指摘した。新基地建設を止める手段は「世界がカウンターパート(対応機関)だ」と述べ、国際社会への直接アプローチを強める姿勢を示した。
 子ども政策を巡り、児童扶養手当の期間が過ぎた18歳から20代半ばの若者世代を支える制度の構築を目指す考えを示した。若者世代の支援に関し「絶対に抜け落としてはいけないセーフティーネットの対象だ」と述べ、県条例の制定を視野に入れていることを明らかにした。
 新型コロナウイルスについては、感染防止策を引き続き徹底しつつ、国に対して地方創生臨時給付金の弾力的な運用を求めていくとし、経済政策や医療体制の強化に向けて予算規模の大きい補正予算の編成を検討する考えを示した。
 (’22知事選取材班)
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