全国高校サッカー選手権県予選前企画(2) 大分 全国レベルのチームに圧勝し、勢いに乗る

3年生にとって最後の大会となる「第101回全国高校サッカー選手権」の県予選トーナメントが、来月8日に開幕する。今年の県内の高校サッカーシーンの総決算となる大一番は見逃せない。ここではシード4校とともに、前大会覇者や注目校を紹介する。

大分のサッカースタイル

守備重視 ○●○○○ 攻撃重視

サイド攻撃 ○●○○○ 中央突破

リトリート ○●○○○ プレッシング

カウンター ○○○○● ポゼッション

※リトリート・・・相手にボールを奪われたらすぐに自陣に戻り、守備ブロックを形成して守る戦術

昨年の全国高校サッカー選手権の県予選を戦った主力が半数以上いる上、個々の能力の高さでは県内随一。攻撃はある程度の決まり事はあるものの選手の感性に委ねることも多く、共鳴したときの破壊力は圧倒的だ。夏休みの県外遠征では、その攻撃力が爆発し、関西の強豪校・クラブを相手に大勝することも多かった。

大きな自信と経験を積み、一夏を過ごしたが、小野正和監督は「メンバーがそろえば全国でも十分通用する力はあるが、誰が出ても安定して力を発揮することができなければ意味がない」と好結果に浮かれることはない。夏休み以降もチームの底上げと守備の安定に強化のメスを入れたのは、過去の苦い経験があるからだ。

攻撃陣は好調を維持している

ここ2年の全国高校選手権の県予選や県高校総体などで優勝できなかった大会では、守備的なチームに対して攻撃が前がかりになり、カウンターから失点することや守り切られPKで悔し涙を流すことがあった。「攻撃している時のリスク管理の徹底」(小野監督)を図り、攻守のカギを握る中盤の構成を再構築した。吉川獅子心、渕野翔多、青山京志郎の3年生のトライアングルは戦況に応じて流動的にポジションを入れ替え、試合を組み立てる。膠着(こうちゃく)した試合を打開するセットプレーの精度も高まり、隙は限りなく少なくなっている。

3年ぶりの全国高校選手権に向けて、課題は整理され、チームの状態は良好だ。キャプテンの吉川は、「試合後に反省と課題をチームで共有することで、まとまりができている」と手応えを口にする。攻守で圧倒し、頂点を目指す。

3年ぶりの優勝に向けて結束力が重要となる

(柚野真也)

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