工場を増設、来年1月稼働へ 信越ポリマー糸魚川工場 糸魚川市が雇用増で住宅提供提案

 信越化学工業(本社・東京都)の子会社、信越ポリマー(同)は、糸魚川工場(糸魚川市大和川)の生産能力増強のため敷地内に工場を増設する。9月末までに一部が完成、来年1月にも生産を開始する。半導体製造に必須とされる、シリコンウエハーの輸送用ケースを増産する。投資額は非公表。
 シリコンウエハーは半導体製造に必須の材料で、振動や衝撃などから守られる必要がある。自動車の電装化やスマートフォンなどをはじめとするデジタルデバイスの普及で、シリコンウエハーの需要は高まっており、同時に輸送用ケースの需要も伸びていることから、増産体制を整える。
 同社によると今後計画している投資を含め、300人の新規雇用(協力会社含む)が生まれる見通しで、従業員の住宅確保が課題となっている。
 糸魚川市は12日開かれた建設産業常任委員会で同社の計画を示した上で、工場から車で5分ほどの場所に位置する市営奴奈川住宅(同市南寺町1)と高齢者共同住宅サンハイツ(同)の条件付き譲渡を提案したことを明らかにした。信越ポリマーは提案を受け入れる方針。

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