旧統一教会と接点 福田知事ら県内首長9人、いずれも自民党籍

栃木県庁

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家の関係を巡り、下野新聞社は12日までに、福田富一(ふくだとみかず)知事と栃木県内全25市町長を対象にアンケートを実施し、福田知事を含む9人が関連団体と接点があったと回答した。9人はいずれも自民党籍を持ち、5月に開かれたイベントに出席したり祝電を打ったりした。教団との関係性を知らずに応じたとの回答が目立った。

 アンケートは8月下旬~9月上旬、実施した。旧統一教会やその関連団体に関し、選挙支援を受けたことがあるかや、イベントに出席したり祝電を送ったりしたことがあるかなどを尋ねた。

 自民党県連副会長の板橋一好(いたばしかずよし)県議が代表を務めていた関連団体「世界平和連合栃木県連合会」が5月に宇都宮市内で開催した催しに出席したと回答したのは、小菅一弥(こすげかずや)壬生町長。真瀬宏子(ませひろこ)野木町長と平山幸宏(ひらやまゆきひろ)那須町長は、代理者が出席したと答えた。

 祝電を打ったと答えたのは、福田知事と佐藤栄一(さとうえいいち)宇都宮市長、金子裕(かねこゆたか)佐野市長、福島泰夫(ふくしまやすお)那珂川町長、石坂真一(いしざかしんいち)真岡市長、花塚隆志(はなつかたかし)さくら市長の6人。

 福田知事は公務ではなく後援会で対応したという。「(教団の)関連団体との認識はなく、板橋氏の要請であったため対応した」と回答。小菅町長は「新聞報道を見て、関連団体の主催と認識した」と説明した。

 福島町長も「関連団体の認識不足によるもの」と回答した。渡辺美知太郎(わたなべみちたろう)那須塩原市長は、イベント出席や祝電の依頼の有無を聞く問いに「分からない」と答えた。

 今後について福田知事は「旧統一教会や関連団体との関係性が判明したものには対応しない」とし、他の市町長も「依頼があっても断る」「主催団体を厳格にチェックする」などと回答した。

 政治献金やパーティー券購入依頼は全員が「ない」と回答。選挙活動の協力を受けたことがあるかについては、相馬憲一(そうまけんいち)大田原市長と佐藤宇都宮市長、福田知事が「分からない」と回答し、その他は「ない」と答えた。

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