伊集院光、マンガの苦手シーンを事前に教えてくれる技術について「そこまで保護されていくの?」

12日深夜放送の『伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)で、タレントの伊集院光が、マンガの苦手シーンを事前に教えてくれる技術が研究されていることに関しての感想を語った。

番組では、伊集院が明治大学の研究チームが発表した「コミックにおける読者依存性の高い地雷表現回避手法の実現」についての研究報告に関する話題を扱った。

これは、マンガで、途中で出てくる個人的に見たくないシーン(地雷シーン)を事前に警告することで、過度に感情移入してしまい、閲覧したことで落ち込んだり、その先を読み進めることができない可能性を回避し、作品全体を読み進める読書体験を可能にするというものだ。

伊集院は「要するに、コミックスを読んでたら、後でトラウマになるような残酷シーンが出てきたりとか、自分が凄く嫌いなイヤな虫とかが出てきたりすることってあるわけじゃん。それをあらかじめAIが『こういうの苦手』みたいな、俺が答えるアンケートみたいなのがあるんだろうけど、それを分析して『次のページにそういうコマあるけど、大丈夫ですか?』って言ってくるんだって(笑)。しかも大真面目に書いてあるんだけど、それを柔らかくするために、漫画のキャラクターに言わせたいとか書いてあるの」と解説した。

この技術に関して伊集院は「たとえばだよ、『巨人の星』の飛雄馬が一徹にスゲェしごかれるシーンを、ドメスティック・バイオレンスだって判断したとするじゃん‥今の基準で言うと(笑)。それはドメスティック・バイオレンスですよ、子供にあんなバネじかけのギブスつけて」と『巨人の星』を例にし、「で、そのシーンがあったやつを、これは苦手と判断したとするじゃん‥星飛雄馬が『この後、ヒドイ目に遭うから、見たくなければ見ない方がいいよ』っていうのも、変な話じゃん‥なんか(笑)」と唐突に言われるのも違和感があるとした。

伊集院は「漫画は自分の好みでちゃんと選んだ方がいい」と話しつつ、再び『巨人の星』を例に出し「(飛雄馬)大リーグボール3号の投げすぎで、最後ビシィ! って手が粉々みたいな絵になることに、ショックは受けるよ。毛細血管ズタズタになっちゃうんだからさ」とコメント。「で、いよいよ最後の一球になりますって瞬間、すみっこで星飛雄馬が『次のページでショックなこと起きるから、覚悟してね!』って言ったら、『やられんだ‥』って思うじゃん絶対。それはいい世界なの? そこまで保護されていくの? 漫画を読むという行為は」と、さすがに過保護過ぎなのではとし、「もう爺さんにはついていけない! このジジィからしてみたら‥」と明かしたのだった。

もちろん伊集院にも過去に読んだマンガでトラウマになったシーンはあるとのことだが、「でもさ、思いもよらないようなシーンとも出会ってると思うのね」と何も分からない先のページをめくる楽しさもあると持論を語ったのだった。

© 株式会社ジェイプレス社