いまレコード収集は特別な価値を持つに至った──インターネット時代におけるレコード・コレクティングの教科書『ヴァイナルの時代──21世紀のレコード収集術とその哲学』、本日9月13日発売!

レコード・コレクティングの教科書と言うべき一冊、『ヴァイナルの時代──21世紀のレコード収集術とその哲学』が本日9月13日にPヴァインより刊行された。 21世紀のいま、レコードは特別な価値を持つに至った── レアグルーヴ、モダン・ソウル、スピリチュアル・ジャズ、ランダム・ラップ、ブギー、ニューエイジ、アート・パンク、サイケデリック…… 本書は、インターネット時代におけるレコード収集のテクニックからコレクターに人気のジャンル/サブジャンルの解説、およびレコード収集の哲学や社会学まで網羅する。 世界最大規模のオンライン・レコード店〈カロライナ・ソウル〉のマーケティング・ディレクターによる、21世紀のレコード・コレクティングの教科書。

本書より

ヴァイナル・レコードは魔法の商品だ。銅やコーヒーのように日々売り買いされるにも関わらず、レコードの真価は常に現金価格を上回る。現在のヴァイナルの収集家はこれまで以上に、自らの所有するレコードに対し深くスピリチュアルな、知的な、エモーショナルな意味合いを付与している。ヴァイナルを愛する者の心と精神の中において、一枚のレコードは決して単なる「引っ掴み、引っくり返す」ための「ちょっとした名も無きオブジェ」ではない。むしろ、レコードはアルバート・アイラーが「宇宙を癒すフォース」と呼んだものを内に宿す存在だ。

Max Brzezinski / マックス・ブレジンスキー

カロライナ・ソウル社のマーケティング・ディレクター。デューク大学で英語モダニズムの博士号を取得、以前はウェイクフォレスト大学の英語教授を務めていた。文学エッセイと批評は「Novel」と「The Minnesota Review」に、音楽批評は「Dusted」誌に掲載。長年DJとして活躍し、カロライナ・ソウルのラジオ放送の司会を毎月務めている。ノースカロライナ州ダーラム在住。

Carolina Soul / カロライナ・ソウル

ノースカロライナ州ダーラムに本拠を置く〈カロライナ・ソウル〉は、世界最大の高級レコード販売店の一つであり、ダーラムのダウンタウンにある実店舗とオンラインの活発なレコード・コミュニティで広範囲に存在感を示し、週に1000枚以上を動かしている。Instagramではカルト的な人気を誇り、月間150万人のユニークリスナーを持つオンラインラジオ局、NTSでは長時間のラジオ番組が放送されている。

坂本麻里子 / さかもと・まりこ

1970年東京生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。ライター/通訳/翻訳として活動。訳書にイアン・F・マーティン『バンドやめようぜ!』、コージー・ファニ・トゥッティ『アート セックス ミュージック』、ジョン・サヴェージ『この灼けるほどの光、この太陽、そしてそれ以外の何もかも』、マシュー・コリン『レイヴ・カルチャー』、ジェン・ペリー『ザ・レインコーツ』など。ロンドン在住。

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