「疲労で救助要請する人が非常に多かった」富士山2022年夏山の遭難事故は50件 “コロナ禍”前に戻る

静岡県警は7月10日から9月10日の2か月間の富士山の夏山シーズン中に、遭難事故が50件あったと明らかにしました。この数は2019年を上回っています。静岡県側では亡くなった人はいませんでした。

【富士山夏山シーズン 遭難事故(静岡県側)】

・2022年 50件(51人)

・2021年 14件(14人)

・2020年 コロナの影響で開山せず

・2019年 46件(53人)

富士山は2022年、行動制限のない夏山シーズンを迎え、多くの登山客でにぎわいました。それに伴い遭難事故も多発、去年の約3.5倍に当たる50件の遭難事故が起こっています。

コロナ禍前と比べて登山者数自体は減っているものとみられますが、遭難事故の数はコロナ禍前の2019年と比較しても変わらない水準となっています。

<静岡県警 山岳遭難救助隊 坂上雅信隊長>

「今年の夏に限っては、疲労で下山をできなくなってしまった、疲労によって救助要請するという方が非常に多かった」

【遭難事故の原因(静岡県側)】

■2022年 合計50件(51人)

「疲労」22件(22人)

「病気」13件(13人)

「転倒・滑落」9件(9人)

「道迷い」3件(3人)

「その他」3件(3人)

■2021年 合計14件(14人)

「疲労」2件(2人)

「病気」6件(6人)

「転倒・滑落」5件(5人)

「道迷い」1件(1人)

「その他」なし

原因別に見てみますと、2022年は「疲労」が目立ち、50件のうち22件、全体の44%を占めています。2021年と比較すると、実に11倍となっていて、コロナ禍前と比べても大幅に増えています。

静岡県警によりますと、新型コロナの影響によるアウトドアブームなどもあり、初心者による登山が多かったことが、一因になっているのではないかということです。

夏山シーズンは9月10日に終了し、登山道は閉鎖されましたが、例年、シーズン外にも遭難事故が起きていて、県警などが警戒を強めています。

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