アスリートが勤務、魅力発信! 競技も地域も野菜も…未来へ新たな形の支援、貢献 大宮区のアジアンバル

「女子サッカーを知ってもらうきっかけになれば」と話す望月ありさ選手(左)と仲田歩夢選手=埼玉県さいたま市大宮区

 埼玉県さいたま市大宮区に8月、アジアンバル「Will(ウィル)」がオープンした。「カオマンガイ」や「ガパオライス」など、人気のアジアン料理を中心にさまざまなメニューを楽しめるアットホームなお店で、女性アスリートや地元農家の支援に力を入れている。

 同店はにぎやかな通りから路地に入った場所にあり、看板には店名とともに「女性アスリートもったいない野菜応援」の文字がひときわ目立つ。「女性アスリートが社会経験を積める場に」というコンセプトで、現役選手が練習や試合のない平日午後に勤務している。また、規格外の野菜を買い取るなど、食品ロスの削減や地元農家の支援にも取り組む。

 オーナーの中村義広さん(52)は同市出身。市内で建築業を営む傍ら、飲食店も経営する。昨年女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」が開幕し、初めて女子サッカーを観戦したことがきっかけで「女子サッカーの発展と地域の活性化につなげていきたい」と新たに店を開いた。

 現在、大宮を拠点とする女子サッカーチームで活躍する仲田歩夢選手(29)と望月ありさ選手(28)の2人の現役アスリートが勤務し、接客や仕込み作業などを担当している。

 仲田選手は「高校を卒業してからサッカーだけする生活で、社会に出る経験がほとんどなかった。こうして社会経験を積める場をつくっていただけたのはありがたい」。望月選手は「大宮に来て地域に貢献したいという思いがあった。グラウンドではなかなか話すことができないファンの方とコミュニケーションできる場になる」と話していた。

 中村さんは「選手と直接触れ合うことで女子サッカーに興味を持ってもらい、ファンを増やしていきたい」と意気込む。仲田選手と望月選手は「女子サッカーを知らない方にも知ってもらうため、魅力発信の場として新たなチャレンジをしていきたい」と力を込めた。

 営業時間は午前11時半~午後11時(ラストオーダーは同10時半)。日曜定休。

 問い合わせは、同店(電話048.679.5818)へ。

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