真飛聖、共演した阿部寛の笑顔に胸キュン?「続 遙かなる山の呼び声」完成試写会に登場

NHK BSプレミアム・BS4Kで9月17日に放送される特集ドラマ「続 遙かなる山の呼び声」(午後9:00)の完成試写会と出演者会見が、9月12日にNHK札幌放送局で行われ、阿部寛演じる森山耕作の妹・森山加奈役を務めた真飛聖、演出の朝原雄三氏が出席した。

同ドラマは、山田洋次監督の映画「遙かなる山の呼び声」(1980年)を現代に置き換え、リメークしたドラマ版(2018年放送)の続編。山田監督が共同脚本を務め、映画「釣りバカ日誌」「武士の献立」などで知られる朝原氏が演出を担当した。

物語は、前作のラストから5年後、耕作が仮出所する場面から始まる。妹・加奈に迎えられ、札幌に向かう耕作。一方、中標津では、風見民子(常盤貴子)が女手一つで牧場を経営し、音楽教師・西川(藤井隆)の応援でピアノにのめり込む一人息子・武志(佐藤優太郞)を温かく見守っていた。そこへ虻田(筧利夫)が来て、耕作の出所を知らせる。刑務所に手紙を送っても返事が来ないため、耕作を忘れようとしていた民子。その心にさざ波が立つのだった――。

続編の新キャラクターとして初登場する加奈。演じた真飛は「前作を拝見し、この世界観に今度は自分が入るんだとワクワクドキドキしていたので、この物語に1人の人物として生きることができて幸せでした。あまりにも加奈にかわいげがなく、自分としてはもうちょっと…などといろいろな欲をかいてしまいますけれど」と笑顔でコメント。最後の出演シーンがクランクイン日に撮影されたことを明かし、「大事なシーンでしたが、緊張し過ぎず、初日に演じれば自分の中に道も開けると前向きに考えて挑みました」と回想。朝原氏も「厳しいスケジュールでしたが、彼女の真剣な様子が伝わり、本番の演技もとてもよかった。でも、大変でしたね」とねぎらった。

また、真飛は共演した阿部について「寡黙なイメージがあると思いますが、ぼそっと話す一言が面白く、笑顔がとてもチャーミング。阿部さんの笑う顔を見たくて日々コミュニケーションを取らせていただきました。ぶっきらぼうな加奈ですが、実はお兄ちゃん思いの女性。兄を素直な気持ちで見つめ、いつも気にかけている彼女の思いがにじみ出るよう、現場では心に置きながら演じました」と明かした。

前回に続き、演出を担当した朝原氏は「山田監督の代表作の1本である映画『遙かなる山の呼び声』をドラマに、と初めて聞いた時は『山田監督が許すわけがないでしょう』と思いましたが、4年前に実現。もう1本続編をと言われた時も、うれしい半面、むちゃくちゃな…と思いましたが、『耕作や民子があの後どう生きたかを考えるのが、僕たちの仕事なんじゃないのかい』と山田監督に言われ、一緒に物語作りを始めました」と誕生秘話を告白し、「耕作や民子親子、今回初登場の加奈、西川といった人間たちを愛情深く描けば、ストーリーはどうだっていいんじゃないかという気持ちもあって。難しいストーリーのドラマが多い中、まずは人物ありきのドラマを作ってみろよという課題を与えられたと思って挑戦しました」と思いを口にした。

撮影は初夏の6月、北海道・札幌、網走、中標津で行われた。メインロケ地となった中標津について、朝原氏は「松竹に入社し、助監督1本目が『男はつらいよ 知床慕情』(87年)で、ロケ地・中標津には30年来の付き合いがある映画ファンの方もおり、交流しながら撮影できることがうれしい。中標津はビジュアル的にも素晴らしいし、自由に撮れる場所なので感謝しかない」とコメント。一方、今回中標津ロケがなかったという真飛は「現地で味わう牛乳やヨーグルト、ソフトクリームのおいしさをスタッフさんから聞き、うらやましく思いました。それが心残りです!」と笑いを交えて撮影を振り返った。

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