ゴダールが91歳で死去 フランスの国宝に国内外から追悼の声

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フランス人映画監督のジャン=リュック・ゴダールが2022年9月13日、スイス西部の自宅で死去した。91歳だった。歴史を残した偉大な映画監督の死に、ハリウッド映画界から哀しみの声が届いている。

フランス映画界の先駆者であり、1950年代後半から1960年代にかけて、フランス映画界を席巻した「ヌーヴェル・ヴァーグの旗手だったゴダール監督。代表作は『勝手にしやがれ』(1960年)『気狂いピエロ』(1965年)などで知られ、世界中の映画監督や映画製作者に影響を与えてきた。フランス映画界に多大な貢献をしたゴダール監督の死を悼む声が、国内外から届いている。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領はTwitterに「フランスは国宝を失った。ゴダール監督はヌーヴェル・ヴァーグの最も象徴的な映画監督だった」と称えた。

カンヌ映画祭はTwitterで「1962年に『5時から7時までのクレオ』でカンヌ国際映画祭に初登場して以来、ジャン=リュック・ゴダールの21作品がカンヌで上映されました。1968年のマニフェストの発起人であり、『さらば、愛の言葉よ』(2014年)でカンヌの審査員賞を受賞した。そして『イメージの本』(2018年)では、スペシャル・パルムドールが贈られた。」と称えた。また、カンヌ映画祭のジル・ジャコブ前会長も、SNS上でゴダールを「映画のピカソ」と表現し、賛辞を送った。

英国アカデミー賞は「高い評価と影響力を持つ映画監督であり脚本家、そして映画評論家であるジャン=リュック・ゴダール氏が91歳で亡くなったと聞き、悲しく思っています。」とつづった。

トロント国際映画祭のキャメロン・ベイリーCEOは「ジャン=リュック・ゴダールは死後の賞賛を嫌っていたかもしれませんが、私たちはここで称えています。70年にわたる彼の驚異的な作品群は、彼が映画界でも稀有な真の天才であることを示していました。それは、遊び心と罰当たりなものでした。すべての観客に挑戦し、根気強い観客に報いたのです。」と追悼した。

『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』(2021年)のエドガー・ライト監督は「ジャン=リュック・ゴダール、最も影響力のある、革新的な映画監督の一人だった。彼自身がハリウッドのスタジオでの映画制作システムを尊敬していたことは皮肉なことでした。おそらく、これほど多くの人々がカメラを手に取り、撮影を始めるように仕向けた監督は他にいないでしょう。」と称えた。

アカデミー賞監督として知られるギレルモ・デル・トロ監督は、ゴダール監督の訃報を受け「ゴダールが亡くなった…」と悲しみのコメントを発表した。

多大な影響を与えてきた映画監督ジャン=リュック・ゴダールのご冥福を心よりお祈りしたい。

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