日本野球聖地に宇都宮の球場跡地(現宮の原小) ベーブルースと沢村栄治が熱戦 県内で唯一

 野球伝来150年を記念し、日本野球機構(NPB)などが企画した日本野球聖地・名所「150選」にこのほど、宇都宮市の宇都宮常設野球場跡地(現宮の原小)が栃木県内で唯一選出された。同球場で往年の日米の大スター選手たちがプレーした歴史が評価され、市野球協会の中島宏(なかじまひろし)会長(53)は「大変名誉なこと。聖地認定をきっかけに、宇都宮の野球が盛り上がればうれしい」と喜んでいる。

 同野球場は1932年、市内の野球関係者らが私財を投じて建設したとされる。34年には日米野球最終戦の会場となり、沢村栄治(さわむらえいじ)投手らの全日本と、ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグなど伝説の米大リーガーオールスターチームが熱戦を繰り広げた。

 戦時中は畑や高射砲陣地に利用され、戦後は市野球協会が買い上げ市営となった。アマチュア野球や市民体育祭など、60年の閉場までスポーツの拠点として市民に愛された。

 70年4月、跡地に宮の原小が開校。その後、歴史を後世に語り継ごうと、同協会と市が協力して2004年、大谷石製のボールが載った顕彰碑を建立した。

 同校の窪田幸子(くぼたさちこ)校長は「創立記念日には必ず球場の話をします。世界の野球界の大スターがプレーしたことは、学校だけでなく地域の誇りです」と話す。

 日本野球聖地・名所「150選」は、NPBと全日本野球協会(BFJ)などが主催する企画。日本の野球の歴史を知ることで、先人たちの偉業に敬意を表し後世に伝える目的で、全国では札幌市円山球場や東京の後楽園(こうらくえん)スタジアム跡、大阪の日本生命球場跡、北九州市民球場などが認定された。

 野球伝来150年を記念したスタンプラリーも行われており、スマートフォンの無料アプリ「furari」をダウンロードして目的地付近に行くと、衛星利用測位システム(GPS)機能を使ってスタンプを取得できる。50カ所達成するごとに、記念グッズなどが贈られる。期限は12月31日。

日本野球聖地・名所150選に認定された宇都宮常設野球場跡地(現宮の原小)の顕彰碑

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