通園バス 10施設マニュアルなし 運行の岡山県所管26施設調査

岡山県庁

 静岡県牧之原市の認定こども園で通園バスに置き去りにされた3歳女児が死亡した事件を受け、岡山県が県内の私立幼稚園などを対象に行った実態調査で、通園バスを運行する26施設のうち約4割に当たる10施設が園児の安全管理に関する運行マニュアルを備えていないことが、14日分かった。県は今後、国の主導で行われる一斉点検の結果も踏まえながら対応を検討する。

 県がマニュアルの整備を求める法的根拠などはないが、適切に運行されているかどうかを判断する材料になるとして調べていた。マニュアルには乗車時の人数確認や園児の出欠状況の情報共有などに関する記載が目立ったという。

 一方、マニュアルのなかった施設も「乗車名簿を作成してチェックしている」といった何らかの対策が講じられていた。県はこうした状況から現時点で改善指導の対象になる施設はないとしつつ「国主導の一斉点検で安全管理についてより詳細に調査したい」(総務学事課)としている。

 実態調査は県が所管する私立幼稚園や認定こども園など36施設を対象に書面で実施した。県内には市町村の所管を含めて700施設以上あるが、県が率先することで市町村の取り組みを後押しする狙いもあるとみられる。

 女児は5日の登園後、約5時間にわたって車内に取り残され、熱中症で死亡した。

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