コロナ水際対策の入国制限全面解除前に「買っておくべき物」とは

外国人観光客の増加でインバウンド消費に期待が集まる(写真はイメージ)

日本政府が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の水際対策で実施してきた入国制限の完全撤廃に向けて動き出した。早ければ10月にも実施される。2年半にわたる厳しい入国制限に苦しめられた観光業者などインバウンド需要に依存する事業者にとっては、ようやく正常化のメドがつきそうだ。一方、消費者の立場からは大量の外国人観光客がやって来る前に「買っておくべき物」がある。

高級ブランド品

円安で値上げされ、日本人の手に届きにくくなった海外の高級ブランド品。しかし、買っておくなら今のうちだ。アジアを含む海外在住の外国人から見れば、値上がりしたとはいえ円安で割安感がある。しかも、免税対象となるため、自国で購入するより安い。

さらに円安が進む可能性もあり、高級ブランド狙いの外国人観光客は再び値上げされる前に購入しようとするだろう。入国制限解除と同時に高級ブランドの路面店や百貨店に押し寄せて、手当り次第買っていく可能性が高い。

そうなると日本中の売り場から目ぼしい高級ブランドが姿を消し、買いたくても買えない事態になる。外商がつくほどの富裕層でない限り、高級ブランド品は予約ができないケースがほとんど。品薄となった高級ブランド品を購入できるチャンスはなくなるだろう。

もしも高級ブランド品で買いたい商品が店舗にあるのなら、入国制限が全面解除される前に購入することをお勧めする。


コスメ用品

日本では韓国製のプチプラ(低価格)化粧品が人気だが、コロナ禍前には日本製の化粧品は品質と安全性の高さから外国人が割安なドラッグストアやディスカウントストアでまとめ買いする定番商品だった。

この傾向は入国制限解除で外国人旅行者が戻ってきても変わらないだろう。高級ブランド品と違い国産化粧品の価格は手頃で、富裕層だけでなく一般旅行者も日本土産に買っていく。購入する外国人観光客の人数は多く、人気の化粧品はあっという間に品切れになる可能性が高い。

高級ブランド品と違い、日常使いの化粧品はインバウンド消費で品切れになっても、国産メーカーが直ちに増産に入るだろう。ただ、入国制限撤廃直後の品薄と、実売価格の上昇は覚悟しておかなければならない。普段使っている化粧品は、買いだめをしておく方が良いだろう。

高級旅館・ホテル

宿泊料金が1人1泊5万円を超える旅館やホテルを予約するなら、今のうちかもしれない。かつてこうした宿泊施設は富裕層の外国人観光客が利用していたが、円安で一般観光客の手にも届く料金になった。外国人の個人旅行が解禁されれば、高級旅館・ホテルはインバウンド予約で埋まることになりそうだ。

コロナ不況で観光地の宿泊施設数が減少していることから、インバウンド客で予約が一杯となり日本人が宿泊できなくなる可能性もある。とりわけ海外旅行客は早めに部屋を押さえるため、どうしても泊まりたければ、かなり早い段階での予約が必要になりそうだ。気が向いたから泊まりに行こうという旅行は難しくなるだろう。

空室率が下がれば、宿泊料金は値上がりする。次の大型連休には間に合わないかもしれないが、高級旅館やホテルに安く宿泊したいのなら、入国制限解除前の週末に予約を入れておきたい。高級スキーリゾートは、今が予約を入れる最後のチャンスだ。


借家・賃貸マンション

コロナ禍前ですらホテル不足が顕在化していただけに、円安を追い風とした入国制限解除後の外国人旅行者の宿泊需要に対応するには民泊を活用するしかない。すでに民泊施設の整備に向けた動きも出ている。

無印良品を展開する良品計画は、民泊紹介サイトを運営するAirbnbの日本法人との間で、全国の遊休不動産の共同プロデュースを実施する包括連携協定を結んだ。Airbnbが確保した民泊物件に良品計画がインテリアコーディネートとリノベーションをする。

大都市や有名観光地に立地する借家や賃貸マンションのオーナーにとっては、稼働率さえ上がれば一般賃貸よりも民泊の方が収益性が高い。さすがに住民を追い出して民泊施設に切り替えるオーナーはいないだろうが、空室を民泊施設に活用する動きは出るだろう。

そうなれば借家や賃貸マンションを一般居住者向けに供給する物件は減少し、家探しに苦労することになる。供給が減り需要が増加すれば、家賃は上昇する。優良物件であれば、なおのことだ。値上がり前に借家や賃貸マンションの優良物件を確保するためには、今年中に契約して引っ越しておきたい。

iPhone14シリーズ

9月16日に発売されるアップルの新型スマートフォン「iPhone 14シリーズ」も入国制限がある9月中に買っておきたい商品だ。最も高いモデルで23万9800円とパソコン並みの価格だが、実は本国の米国に次いで安いのが日本だ。

例えば最も安い「iPhone14」(128GBモデル)の日本価格は11万9800円だが、日本円換算だと英国では14万815円、ドイツでは14万3742円、ブラジルでは20万8152円となる。細かい仕様の違いはあるがアップル製品はどこの国でも使えるため、店頭在庫があれば割安な日本で購入する外国人観光客も出てくるだろう。

「iPhone14シリーズ」も待てば必ず入手できる商品だが、円安がさらに進めば大幅に値上げされる可能性もある。現在の価格で確実に手に入れたいのであれば、早めに予約を入れて確保しておいた方が良さそうだ。

文:M&A Online編集部

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M&A Online編集部

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