第72回ベルリン国際映画祭のエンカウンターズ部門に正式出品された、岸井ゆきのが両耳の聞こえないプロボクサー役に挑戦する映画「ケイコ 目を澄ませて」の劇場公開日が12月16日に決まり、予告編とポスタービジュアルが公開された。
予告編では、生まれつき両耳とも聞こえないケイコの姿が映し出されている。ウソがつけず愛想笑いの苦手なケイコは、再開発の進む下町の一角にある小さなボクシングジムをよりどころにしている。トレーナーに「痛いのはきらい」と伝えて「正直やな」とツッコまれ、弟から気持ちを聞かれて「どうせ人はひとりでしょ？」と突っぱねるケイコ。そんな不器用な彼女は悩みが尽きず、「一度お休みしたいです」とジムの会長にしたためた手紙も渡すことができない。うまく伝えることのできない思いを心の中にためたまま、ある日、ジムが閉鎖されることが決まる。
あわせて公開されたポスターは、リングのふちに座りこちらに視線を送るケイコの姿が捉えられ、そのまなざしやたたずまいから、彼女が置かれている環境や心の声が表現されたビジュアルとなっている。
「ケイコ 目を澄ませて」は、元プロボクサー・小笠原恵子さんの自伝「負けないで！」を基にした作品で、両耳が聞こえないプロボクサー・ケイコと、ジムの会長の交流を描く。岸井ゆきのがケイコを演じ、クランクインの約3カ月前から厳しいトレーニングを行ったほか、劇中で使われる手話の練習など、入念な準備を行い撮影に臨んだ。ジムを運営する会長を三浦友和が演じる。監督を務めるのは、「きみの鳥はうたえる」がベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品された俊英・三宅唱。16ミリフィルムで撮影された。
【作品情報】
ケイコ 目を澄ませて
2022年12月16日（金）テアトル新宿ほか全国公開
配給：ハピネットファントム・スタジオ
©2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会／COMME DES CINÉMAS
