母死亡…「早く寝て」に立腹し踏みつけた息子に懲役5年6月 母より体格が大きい息子「過剰防衛だ」

さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

 自宅で母親=当時(72)=の顔を殴るなどして死なせたとして傷害致死の罪に問われた埼玉県深谷市瀬山、無職佐藤陽亮被告(40)の裁判員裁判の判決公判が14日、さいたま地裁で開かれ、佐々木一夫裁判長は懲役5年6月(求刑・懲役7年)を言い渡した。

 判決理由で佐々木裁判長は、過剰防衛だったとする佐藤被告の主張を「犯行翌日の写真から顔などにけががない」などとして否定。「大きく体格が劣っている実母から、強度の暴行を受けたとは考えにくい」とした。

 また、一方的に顔面を複数回殴打するなどした犯行は「危険かつ悪質な犯行」と指摘。早く寝るように実母から言われた佐藤被告が腹を立てて犯行に及んだことは「突発的な犯行だが、短絡的で強い非難に当たる」と述べた。判決によると、佐藤被告は2020年9月19~20日ごろ、自宅で母親の月代さんの顔を複数回殴り、胸を足で踏みつけるなどの暴行を加え、多発肋骨(ろっこつ)骨折などの傷害による緊張性気胸により死亡させた。

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