観光回復へ 後楽園に外国人団体客 コロナ禍以降初 水際対策緩和で

後楽園を散策する外国人の団体ツアー客

 岡山市の後楽園に15日、外国人の団体ツアー客が訪れた。同園によると、政府が新型コロナウイルスの水際対策を緩和して以降初めてで、海外からの問い合わせも増えているという。岡山県内の各観光地は回復に期待を寄せている。

 後楽園には朝からフランス人団体客33人が来訪。風に揺れる稲穂など、残暑の中でも秋の風情を見せ始めた園内を1時間ほど散策した。マルセイユから夫婦で来たツアー客(34)は「やっと日本に来られてうれしい。小川が流れていてきれいだった」と笑顔を見せた。

 同園によると、10月末までに外国人団体客6組計170人程度が訪れる見込み。個人を含めて入園者の2割近くを占めていたコロナ禍前には及ばないが「日常が戻りつつあると感じる」と言う。

 政府は6月、訪日外国人観光客の受け入れ手続きを約2年ぶりに解禁。今月7日からは水際対策をさらに緩和し、1日当たりの入国者数上限を2万人から5万人に引き上げ、添乗員を伴わないパッケージツアーを可能にするなどした。

 倉敷市の美観地区も今月から外国人の姿が見え始め、フランス人ツアー客1組の宿泊の予約が入ったホテルもあるという。今のところツアー客が来る予定がない美作市・湯郷温泉の旅館協同組合は「回復にはまだまだ時間がかかる。個人旅行の解禁などさらなる対策を求めたい」としている。

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