【長野・三重県】おすすめテント場3選!木曽駒ヶ岳・白馬などをテント泊経験者がレビュー

自然と一体になり時間を忘れてしまうほど楽しいキャンプ。経験が増えるにつれ、いろいろなキャンプ地へ行ってみたくなりませんか?今回は、登山&キャンプが大好きな筆者が、登山と一緒にキャンプも楽しめるおすすめのテント場を3つご紹介します。テントサイトの様子や周辺の登山&立ち寄りスポットも紹介するので、ぜひテント泊登山の参考にしてみてくださいね!

「テント泊登山」はキャンプと登山の良いとこどり!

筆者撮影:テント・寝袋・食料が入るのでザックは大きめ(写真は60L)になります。

みなさんにとってキャンプの魅力はなんでしょうか?

  • 自然の中で非日常を味わえる
  • 自分だけの時間・空間を手に入れられる
  • いつもと違う場所でリフレッシュできる
  • キャンプ飯や焚き火を楽しめる
  • SNSに写真をアップしたりみたりするのが楽しみ
  • 自分好みの究極のギア探しがクセになる

など、数えればキリがありませんね。

一方、登山好きな人にも魅力を聞いてみると、

  • 山頂から眺める壮大な風景が満喫できる
  • 普段見かけない高山植物や動物に出会える
  • 自分の足を使って登る充実感
  • 登頂したときや無事下山したときの達成感
  • ULギアの研究(ギア沼にはまる)

など、こちらも熱量高めの答えが数多く返ってきます。

どちらもアウトドアの魅力がたくさんがあり、さまざまな楽しみ方があることがわかります。

登山好きな人の中にはテント泊の経験がないという人も多く、「テント泊登山」はキャンパーならずとも憧れのアクティビティとなっています。

そこで今回は、テント泊登山が楽しめるおすすめのテント場を3つご紹介します。

筆者が実際にテント泊してみて感じた魅力や注意点も交えて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

【おすすめ登山テント場1】長野県・木曽駒ケ岳「頂上山荘」:テントの中からご来光も拝める!

筆者撮影:運が良ければ雲海に浮かぶ山々を堪能することができます。

木曽駒ヶ岳直下に位置する「頂上山荘」は、ロープウェイで上がります。

標高2612mの千畳敷駅まで7分で到着し、そこから無雪期なら、テント場まで約1時間半。登山初心者でも安心して登れます。

テント場から木曽駒ヶ岳山頂までは片道15分。御嶽山、北アルプス、南アルプスから富士山までの大パノラマは登山の疲れをふっとばしてくれます。

基本情報

  • 所在地:〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村
  • 標高:約2,870m
  • 営業期間:7月から10月
  • テント数:約70~100張
  • テント場の料金:2,000円(1名)大人・子ども同一料金(トイレ・水場利用料金込)
  • 予約方法:予約不要
  • アクセス:
    <電車>JR駒ヶ根駅から路線バス「しらび平」下車。
    <車>中央高速「駒ヶ根I.C」から菅の台バスセンター駐車場へ。路線バスに乗り換え「しらび平」下車。
    いずれも「しらび平」から駒ヶ岳ロープウェイで「千畳敷」下車。千畳敷カールの遊歩道を進み八丁坂分岐点から入山。
  • 駐車場:菅の台バスセンター駐車場(1日800円)
  • コースタイム:千畳敷駅から「頂上山荘」まで約1時間30分
  • 公式サイト:https://miyadakankou.co.jp/chojosansou#encampment

テントサイト&設備

  • 地面:大きめの石が転がり、平らな場所は少ない
  • トイレ:あり(宿泊者は無料。チェックアウト後は有料)
  • 水場:あり(宿泊者は無料。チェックアウト後は有料)。オフシーズンは水・トイレの使用不可
  • 売店:頂上山荘受付にて各種飲料(生ビール・缶ビール・酒・ソフトドリンクなど)、お土産品・オリジナルバッジなど。

予約方法

テント場は予約不要。「頂上山荘」内の受付で申し込み、料金は1泊ごとに精算します。

7月~10月初旬までの営業期間は「頂上山荘」、営業期間以外は「宝剣山荘」での受付です。

営業期間中でも「宝剣山荘」での受付となる場合があるので事前に確認をしましょう。

自然保護のためテント設営可能な場所はロープで仕切られているエリア内に限られます。

ゴールデンウィークやシルバーウィークは足の踏み場もないほど混み合うので、早めに到着してチェックインをすませましょう。

実際にテント泊してみて感じた魅力

筆者撮影:トップシーズンは足の踏み場もないほど込み合うことも

標高2,956mの中央アルプス最高峰木曽駒ヶ岳直下のテント場です。

朝一番のロープウェイを利用すれば、午前中にはテント設営を終えられるので、荷物を置いて稜線歩きなども楽しめます。

天気にめぐまれ、早起きできればテント場から日の出も見られます。木曽駒ヶ岳山頂までは15分〜20分ほどで登れるので山頂でご来光を待つのもいいですね。

注意点

「頂上山荘」でテント泊登山する際の注意点をいくつかご紹介します。

高度差による体調管理に注意

「菅の台バスセンター」のある駒ヶ根高原から山頂付近までロープウェイで一気に2,000mを上がります。

高山病予防のため、千畳敷駅直結のカフェや休憩スペースで1~2時間過ごし、体調を整えてから出発しましょう。

石が多く平らな場所は少ない

筆者撮影:奥に見えるのが頂上山荘

整地された平らな場所は少なく、大きい石がごろごろしています。早めに出発して、泊まりやすい場所を確保しましょう。

クッカーは厳選して使いやすいものを。

▼筆者おすすめのクッカー&バーナーセット

・ジェットボイル「ジェットボイルフラッシュ&ジェットパワー100G」

周辺のおすすめスポット

「頂上山荘」周辺の登山スポット&おすすめスポットをご紹介します。

1. 千畳敷カール

宝剣岳のダイナミックな岩峰と、季節によって表情を変えるパノラミックな風景は、観光客にも人気。

6月下旬~8月頃にかけてお花畑が一面に広がります。

2. 早太郎温泉「こまくさの湯」

菅の台バスセンターから徒歩5分。アニメゆるキャンにも「こまがねの湯」として登場しています。

3. 駒ヶ根ファームス

観光案内所の他、おみやげ販売、南信州ビール味わい工房、農産物直売所などがありおみやげ探しに最適。

【おすすめ登山テント場2】長野県「白馬大池山荘」:高山植物の宝庫!夏でも雪が見られることも

筆者撮影:天空に浮かぶ白馬大池。7月でもところどころに雪渓が残っています

つづいてご紹介する長野県の「白馬大池山荘」があるエリアは初夏から夏にかけて高山植物が咲き誇り、お花畑に囲まれながらのキャンプや稜線歩きは圧巻です。

タイミングがよければ、雷鳥やオコジョに出会えることも。

岩場や雪渓を通過することがあるので、十分注意して進みましょう。

基本情報

  • 所在地:白馬大池北西畔
  • 標高:2,380m
  • テント数:50張
  • テント場の料金:テント1張り1,000円+幕営料2,000円(1人あたり)
  • 営業期間:6月末 (または7月初旬)~10月上旬
  • アクセス:<電車>JR長野駅・JR白馬駅からバスで「栂池高原」へ。
    <車>長野自動車道「安曇野I.C」、北陸自動車道「糸魚川I.C」経由で「栂池ゴンドラ中央駐車場」へ。
  • いずれも「栂池高原」駅から栂池ゴンドラ、栂池ロープウェイを乗り継ぎ「自然園」駅下車。ビジターセンター横の登山口から入山。
  • コースタイム:「栂池自然園」から「白馬大池山荘」まで約4時間
  • 予約方法:完全予約制(公式サイトからWEB予約または電話)
  • 公式サイト:https://www.hakuba-sanso.co.jp/yamagoya/hakubaooikesanso.html

テントサイト&設備

  • 地面:整地されていてペグはさしやすい
  • 電話:スマホはほぼ電波がつながらない。衛星公衆電話あり
  • トイレ:有り
  • 水場:有り(無料)
  • 売店:有り(ビール、酒、ジュース、カップ麺、パン、お菓子など)
  • 電気:スマホ充電1回100円
  • 施設:山小屋あり(テント場利用者の食事は不可)

予約方法

WEBまたは電話で予約し、当日は受付で名前を伝えて料金を支払うと手続き済みの目印になるヒモをもらうのでテントに結びつけます。

テント設営可能なエリアは指定されていますがフリーサイトです。

実際にテント泊してみて感じた魅力

筆者撮影:白馬岳に向かう稜線に咲く高山植物は数えきれないほど

標高2,300m、北アルプスの中で2番目に大きいといわれる白馬大池のほとりに「白馬大池山荘」があります。

テント場のすぐ目の前にもお花畑や雪渓が広がり、たくさん写真を撮りたくなります。

歩いて数十秒で白馬大池に出られるので、のんびりと湖畔散歩も楽しみましょう。

山荘の隣に売店があり、ちょっとした食べ物や飲み物、グッズが買えます。

椅子やテーブルもあるので、掲示してある山情報をみながら一息つくのもおすすめです。

助かったのはスマホの充電サービス。満タンになるまで使わせてもらい、そばに置いてあるボックスに100円玉をチャリンといれて終わりです。

注意点

筆者撮影:残念ながら天候には恵まれず、深夜に一瞬満天の星が見えて感動しました

「白馬大池山荘」でテント泊登山する際の注意点をいくつかご紹介します。

夏でも雪渓が残っているところがある

夏場でもその年の気候によって雪渓が多く残りアイゼンなどが必要なこともあります。

雨が降ると雪解け水と一緒になって山道が流れ、小川のようになることがあり注意が必要です。

予約がとりにくい

前泊して白馬岳や唐松岳などをめざす人が多いので予定が決まったらすぐに予約を。

完全予約制ですが天候により直前キャンセルが出ることもあります。

周辺のおすすめスポット

「白馬大池山荘」周辺の登山スポット&おすすめスポットをご紹介します。

1. 白馬岳(標高2,932m)

北アルプス後立山連峰の中心的な存在。日本百名山、花の百名山の1つ。テント場に大きな荷物を置いて軽装備で向かいましょう。

2. 栂池(つがいけ)自然園

白馬大池山荘に向かう登山口に隣接。多様な高山植物や動物を観察でき、大きなカメラを持って歩く人の姿も多数。

3. 白馬八方温泉

長野県白馬村の西部八方尾根の温泉地。日帰り入浴施設は5か所、足湯は3か所あります。

▼筆者おすすめのトレッキングシューズ

・キャラバン/トレッキングシューズ C1 02S

ゴアテックスが使われているので急に雨が降り出しても安心です。

【おすすめ登山テント場3】三重県「藤原岳」:“鈴鹿セブンマウンテン”のひとつ

筆者撮影:藤原岳山頂付近から伊勢湾が見えます

つづいてご紹介するのは、花の百名山のひとつに数えられる鈴鹿山脈「藤原岳」(1,140m)直下のテント場です。

春の福寿草シーズン、紅葉シーズンには多くの登山客でにぎわい、天気がよければ伊勢湾や南アルプスが見え爽快な気分に浸れます。

基本情報

  • 所在地:鈴鹿国定公園の三重県いなべ市と滋賀県東近江市との境界
  • 標高:1,140m
  • 営業期間:通年(無人)
  • テント場の料金:無料
  • 予約方法:予約不要
  • 登山口までのアクセス:<電車>三岐鉄道三岐線「西藤原駅」から登山口まで約10分。<車>東海環状自動車道「大安IC」から約20分
  • 駐車場:大貝戸登山道パーキング:50台(無料)
  • コースタイム:大貝戸登山口からテント場まで約3時間
  • いなべ市観光協会公式サイト:https://ssl.kanko-inabe.jp/tourism/1050/

テントサイト&設備

  • 地面 草地、ペグはさしやすい
  • トイレ:バイオトイレ(雨水を利用した水洗トイレ、冬季は使用不可)
  • その他:避難小屋(無人)あり

予約方法

山頂には無人の避難小屋「藤原山荘」があるのみで、予約・チェックイン手続きは不要です。

テント設営エリアなどの細かい指定はなく、登山者が各自気に入ったところにテントを設営しています。

筆者撮影:テントの後ろは無人の避難小屋「藤原山荘」

実際にテント泊してみて感じた魅力

筆者撮影:藤原岳山頂は360度の大パノラマ

テント場から藤原岳山頂まで20分程度。周辺はカルスト地形で、複雑な形をした石灰岩はもこもこした羊のようにも見えます。

避難小屋はとてもきれいに管理され、テーブルやベンチが置いてあります。天候が急変したときに使わせてもらえると思うととても安心。

また、近くにあるトイレもきれいで使いやすいです。

眼下に広がる伊勢湾や街の風景はとくに夜が美しくテント泊ならではのお楽しみです。

注意点

筆者撮影:きれいな景色で荷物の重さも忘れます

「藤原岳」でテント泊登山する際の注意点をいくつかご紹介します。

標高差1000mは結構きつい

コースタイムは3時間程度とされていますが、標高差が1000mあるのでテント泊装備で登ると結構きつく感じます。

休憩時間も計算に入れ、明るい時間に登りきれるよう出発は早めにしましょう。

テント場には水場がない

水場は登山口にしかありません。水分補給用の水と調理用の水などをザックに入れて運ぶ必要があるので荷物は少し重たくなります。

筆者は8月に山頂で1泊しましたが、下山までに3リットル(3kg)の水をちょうど使い切りました。

▼テントは山岳用のものがおすすめ

・アライテント「エアライズ2」

徒歩キャンプや自転車キャンプなどでも活躍します。

周辺のおすすめスポット

「藤原岳」周辺の登山スポット&おすすめスポットをご紹介します。

1. 天狗岩

テント場から約30分ほどで到着。藤原岳最高点(標高1171m)で眺望がすばらしいです。

2. 阿下喜温泉あじさいの里

肌に優しいお湯でリフレッシュできます。

3. 藤原岳自然科学館

藤原岳の動植物や地形の紹介、いなべ市内で見られるめずらしい昆虫や小動物などを飼育展示しています。

安全第一!登山ビギナーでも楽しめるテント場からはじめよう

今回は、キャンプは慣れているけど登山経験が少ないという人におすすめのテント場をご紹介しました。

テント泊登山は徒歩キャンプに似ていますが、重たい荷物を背負って長距離を歩きます。

足場の悪いところを通って登り下りするので、普段のキャンプスキルに加え、登山の知識や技術、それなりの装備も必要になってきます。

また、急な天候悪化や道迷い、滑落などのリスクもあり、事前にしっかり情報収集するなど準備はいつも以上に入念に。無理だなと思ったら引き返す勇気も必要です。

ハードルが高くたいへんそうだなと感じますが、苦労の先にはテント泊登山ならではの魅力がいっぱい。

無理のない登山計画をたて、思い出に残るテント泊登山を体験してくださいね!

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