イチジクが収穫時季 田辺市下万呂では4品種

自宅近くの畑でイチジクを収穫する酒井謙さん(和歌山県田辺市下万呂で)

 和歌山県紀南地方で収穫時季に入っているイチジクが、地元の産直店などに並んでいる。

 田辺市下万呂の農家、酒井謙さん(67)は4品種を栽培し、熟度を見極めながら収穫、出荷している。梅を主に栽培しているが、自宅近くで管理が行き届きやすい畑を利用し、地元産の新鮮なイチジクを提供しようと、11年前に栽培を始めた。

 畑は8アールで、「セレスト」「ドーフィン」「ソリエス」「蓬莱柿(ほうらいし)」と、7月下旬から10月末ごろにかけて、熟度を調整しながら出荷時季をずらして収穫している。いまは、ソリエスや蓬莱柿を収穫しており、これからがピークという。

 夏場の水管理に気を付けたり、また、適度に日が当たるように葉を取り除いたりして栽培。鮮度を大切にし、午前6時ごろに収穫してパック詰めし、すぐに同市秋津町のJA紀南産直店「紀菜柑」に出荷している。

 酒井さんは「今年は着果量が多く、気温が高いので熟度も良い。できるだけ食卓に上るようにアピールしていきたい。健康に良く、いろいろな食べ方で楽しめるので、ぜひ皆さんに食べていただけたら」と話している。

 県果樹園芸課によると、県内では紀の川市や和歌山市など紀北で栽培が盛んで2019年度の県の生産量は2113.5トンあり、全国1位。2位は愛知県、3位は大阪府だった。

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