【岩手】三陸鉄道で港町・宮古へ!“イカ王子”オススメの水産グルメと絶景を楽しもう

【岩手県宮古】ドラマ『あまちゃん』で知られる「三陸鉄道リアス線」

2013年に放送され、大ヒットした『あまちゃん』(※)。今も人気のこのドラマに登場する鉄道「三陸鉄道リアス線」は、岩手県宮古市に本社を構えています。鉄道の名称は、岩手県の沿岸部に広がる三陸リアス海岸から付けられました。

三陸鉄道は、2011年3月11日に発生した東日本大震災で津波に襲われ、大きな被害を受けました。

3年後の2014年に復旧工事が完了しましたが、2019年には台風によってまたもや甚大な被害が発生するなど、これまで幾度も試練を経験してきました。

三陸海岸を走る三陸鉄道リアス線は、各都市を結ぶ交通の動脈で、さらに窓からは海の絶景が時折見えます。地元住民と鉄道ファン、どちらにとっても重要な路線です。

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海岸線がギザギザに入り組んでいる三陸リアス海岸は、河川の浸食や、地盤沈下によって形成されました。海上には、奇岩絶壁の小島があちこちに点在しています。

三陸リアス海岸の近くには暖流と寒流が交わる海域があり、大量のプランクトンが発生します。これを狙って魚がたくさんやってきます。

こうしたことから、三陸リアス海岸は「世界三大漁場」のひとつとして知られています。特殊な地形のため、特に沿岸漁業が盛んです。

海鮮の町・宮古で水産加工品の魅力を伝える“イカ王子”

宮古は、沿岸漁業が盛んでしたが、東日本大震災により、未曾有の苦境に直面しました。

地元の水産加工業が再起する立役者となったのは、三陸沿岸部では知らない人はいない有名人“イカ王子”です。

水産加工会社「共和水産」

“イカ王子"誕生のきっかけは、東日本大震災です。

イカ王子はもともと、地元宮古の水産加工会社「共和水産」に勤めていた専務・鈴木良太さんという、一人の会社役員でした。

共和水産は当時、イカを中心とする地元の海産物を加工し、日本各地に出荷していました。

鈴木さんは仙台の飲食業界で働いていた後、故郷にUターンし、共和水産で働くようになりました。もっとも、当時は、毎日変わらない市場での買い付け仕事に嫌気がさし、また2代目としてのプレッシャーもあり、仕事に情熱を感じられない状態でした。

絶望からの脱出!イカ王子の誕生

2011年3月11日午後、東日本大震災による津波が東北各地を襲いました。

仕事仲間を心配し、魚市場に駆け付けた鈴木さんが目にしたのは、それまで見たこともなかったような惨状でした。故障した車が断続的に発するクラクションの音は、今でも耳に残っているそうです。

「会社って本当に倒産するんだな.....」。無尽蔵に思われる海の資源に頼ってそれまで事業をしてきましたが、まさか、魚を捕ることもできず、加工する人手も得られないような事態に陥るとは思ってもみませんでした。

このような絶望の中、鈴木さんは、水産加工品の付加価値について考え直します。その時、震災当初、出会った人に「“イカ王子”がいいんじゃないの?」と言われたことを思い出しました。

どこから勇気が湧いて来たのか、鈴木さんはその後、インターネットで王冠を購入。それを頭に載せて“イカ王子”となり、宮古、三陸、そして東北のために、水産物をPRする道を歩み始めたのです。

イカ王子は、当時をこのように振り返ります。

「自分で“王子”と名乗って人前に出るのは、かなり恥ずかしかったです。しょっちゅう変な人だと思われてました」

「でも、王冠を載せるということは、“弱い自分を捨てる”ことの象徴でもあるのです。自分が立ち上がらなければ、誰も立ち上がらない。そう思って続けようと決意しました」。
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宮古の海のグルメ・珍味を食べてみよう!

大企業には、商品開発、調達、マーケティングなど、それぞれ担当部署があります。でも、イカ王子はこれらを一人でしなければならず、大変でした。

しかし、海に関する知識や、他企業にはない漁師たちへの理解、自らチャレンジを始めたという説得力が相まって、三陸産の海の幸のおいしさを、多くの人に届けられるようになりました。

オシャレなカップで手軽に食べられる絶品「イカそうめん」

宮古の水産加工品をPRするため、イカ王子がまず考えたのは、買ってもらうための敷居を下げることでした。

まず改良したのは、自社商品の「いかそうめん」。これは、もともとプラスチックトレーに乗っていましたが、カップ入り納豆からヒントを得て、アイスのような紙材質のカップに変えました。中には、イカ王子自らが選んだ低脂肪高たんぱくのイカが入っています。

こうしたユニークな組み合わせが大きな話題となり、1日の生産量は約24,000食にもなりました。

「いかそうめん」はまた、1個あたりの分量を減らして「余白」を多く作りました。これにより、消費者はキムチや明太子などを自由に入れて、好みの食べ方ができるようになっています。

「いかそうめん」は、魚市場やスーパーだけでなく、宮古のコンビニ(ローソン)でも買えます。

解凍してそのまま食べられる手軽さも魅力で、食感も、ほどよい歯ごたえの優しい味わい。共和水産オリジナルのいかそうめんタレとも、相性抜群です。

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テレビで紹介された「王子のぜいたく 至福のタラフライ」

共和水産のもうひとつの主力商品が、「王子のぜいたく 至福のタラフライ」。名前に「ぜいたく」と入っているのは、理由があります。

市販されている多くのタラのフライは通常、スケソウダラなどの白身魚の魚肉を混ぜています。しかも、工場と漁港との距離が遠く、冷凍・解凍を何度も繰り返すため、おいしさが失われてしまいます。

しかし、「王子のぜいたく 至福のタラフライ」は、地元産の高級マダラをたっぷり使用。また、鮮度を維持するための特別な冷凍方法を活用し、マダラの水分と油を保っているため、ジューシーで柔らかいのです。

米国向けHACCP認証も取得しており、品質も安定しています。

イカ王子がオススメする王道の調理方法は、醤油をかけて、タルタルソースと一緒に食べること。

サクサクした衣の下にはフワフワの身が入っており、醤油によりマダラの味が際立ちます。

宮古市を代表する観光地

宮古市に来たら、グルメだけでなく、観光も楽しみたいもの。おいしい海の幸を育む三陸海岸には、素敵な観光地がたくさんあります。

1.浄土ヶ浜

もっとも有名な観光地と言えば、浄土ヶ浜でしょう。三陸復興国立公園の中にあり、美しい紺碧の空と海が特徴です。

透明度の高い海の向こうには、奇岩がそびえる断崖絶壁の小島が見えます。島には緑の松が茂り、季節ごとにさまざまな表情を魅せてくれます。遠くにはリアス海岸特有の険しい海岸線が眺望できます。

「新宮古八景」の中でも、特に人気の景勝地といわれています。

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2.浄土ヶ浜Rest House

浄土ヶ浜の全景を眺望するなら、浄土ヶ浜そばの「浄土ヶ浜レストハウス(Rest House)」の展望台がオススメです。

もっとも、ここの魅力は、写真映えスポットだという点だけではありません。併設されているレストラン「浜処 うみねこ亭」では、マダラの刺身で作った「生ダラのぶっかけ瓶ドン」という珍しいグルメを味わえます。

タラは細菌が繁殖しやすく保存がしにくいため、普通は刺身にできません。

産地の近くで、しかも高級マダラの場合のみ、その細やかで繊細な食感や味が楽しめるのです。

浄土ヶ浜レストハウスの物産店では、先ほど紹介した「瓶ドン」以外に、岩手の夏に欠かせないウニや高級な毛ガニなど、さまざまな商品が販売されています。[place_master_id=10501 show_photos embed]

3.青の洞窟

「浄土ヶ浜の魅力をもっとよく知りたい」という方は、遊覧船に乗るだけでなく、「浄土ヶ浜マリンハウス」からボートに乗って「青の洞窟」を探索しましょう。

水の透明度が高いので、青の洞窟では、曇りの日でもエメラルドグリーン、時にスカイブルーの神秘的でファンタジックな風景が楽しめます。洞窟内には海水が入り込み、時には噴水のような状態になります。

「青の洞窟」周辺では、ボートに乗って近くから巨岩の紋様を観賞できます。ドクロやライオンのような不思議な形をした岩もあり、さまざまな角度から楽しめます。

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4.宮古市魚市場 と 宮古市魚菜市場

通常、日本の魚市場では、せりが行われるのは朝だけです。しかし、宮古市魚市場は、底引き網漁業を行う船が出航する関係で、せりは午前、午後の2回行われます。

魚市場には、訪問客用に各種サイズの長靴・帽子がそろっているので、便利です。

朝のせりを見学したら、魚市場内に併設されている「魚市場食堂」で海鮮丼を食べるのをお忘れなく。お得な料金で、ボリュームたっぷり。具材も新鮮です。

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魚市場の近くには、地元住民の日常を支える魚菜市場があります。

ここでは、先に紹介した「王子のぜいたく 至福のタラフライ」といった冷凍食品のほか、水産物や新鮮な野菜、果物も販売しています。時には地元の人が、自分の家で獲れた野菜や果物を売り始めるといったユニークな光景も見られますよ。

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岩手県のローカルな魅力を再発見!

ドラマ『あまちゃん』を通して、三陸海岸の美しい海の景色や、そこで育まれる海の幸を知った人も多いでしょう。

その一方で、ドラマから現実世界へ目を向けてみると、イカ王子のような情熱を持った人が立ち上がり、地元の人たちと協力しながら、宮古市のグルメや観光スポットの魅力を多くの人に伝えようと努力しています。

ぜひ宮古市に来て、岩手県のローカルな魅力を再発見してくださいね!

Written by Lin
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