県外大学生受け入れ 日南「ヤッチャの学校」

地域留学「ヤッチャの学校」で農業に挑戦する大学生

 日南市の合同会社「ヤッチャ」(杉本恭佑代表)は、地域留学プログラム「ヤッチャの学校」として県外からの大学生受け入れに取り組んでいる。学生たちは1カ月間、同市油津商店街を拠点に共同生活を送りながら、地域での多様な生き方や働き方を学び、自身の成長につなげようと励んでいる。
 コロナ禍でオンライン授業が続いていた大学生のために、学外でさまざまな経験ができる場所を提供しようと2020年9月にスタート。これまで19人を受け入れており、5期生の今年は関東などの都市部から5人が8月19日に来県し、地元出身学生1人と共に今月19日まで滞在する。
 コンセプトは「地域を通して、人と自分と向き合う1カ月」。協力企業や事業者の下で週2回、仕事の手伝いや企画の立ち上げなどに参加。それ以外の時間は各自で市内の探索や住民との交流など自由に過ごす。
 同市吉野方の田村健登さん(30)の農園では、ピーマンの苗植えに向けた準備に学生2人が挑戦。田村さんから農業の基本や農家の思いを学びながら、ハウスのビニール張りや土を耕す作業などに汗を流している。東京大2年の常陰(つねかげ)崇生(しゅう)さん(21)は「農業や地域の暮らしを実際に体験することで、大学で学んだ知識への理解が深まった」と満足そうに語る。
 17日には1カ月間のまとめをプレゼンテーションし、卒業する。杉本代表(31)は「地元住民の新たな刺激にもなっている。日南市を拠点につながりが生まれ、学生たちにとって帰る場所の一つになってくれたらうれしい」と話していた。

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