「何とかしてもらいたいと思ったが安心した」採石場跡地からの土砂流出で静岡県が代執行 費用4800万円も…事業者倒産で回収は“未知数”

土砂の流出で国道の通行止めが相次いでいた静岡県島田市の採石場跡地についてです。静岡県は、9月15日行政代執行を開始しました。

<静岡県志太榛原農林事務所 乾正嗣所長>

「静岡県は行政代執行法の規定に基づき、代執行を実施します」

県が行政代執行による対策工事を始めたのは、静岡県島田市福用にある採石場の跡地です。現場は、6年前に事業者が倒産し放置されたままで、敷地内の違法な盛り土や大雨などによる土砂の流出で通行止めが相次ぐなど、住民生活に影響していました。

<和田啓記者>

「実はここには土砂や水をいったん止める池があったのですが、今は土砂に埋まってしまって見る影もありません」

15日に始まった代執行で調整池にたまった土砂を重機でかき出す作業を行い、県は2022年度中に約4800万円の予算をかけて応急対策工事を終わらせる考えです。

<地元住民>

「娘が行って途中で通れないと言ってずっと遠回りした。早く何とかしてもらいたいなと思ったけど、回覧板でも行政代執行になったということなので安心しました」

<静岡県志太榛原農林事務所 乾正嗣所長>

「県民の安全安心のために早期に完成に向けて取り組んでいく予定」

採石場全体の復旧工事は数年かかる見込みで、県は事業者に費用を請求しますが、すでに倒産しているため回収できるかは未知数です。

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