黒豆みそやマドレーヌ…農産加工品が人気 京都・京丹波の農事組合「アイデア豊富」78歳顧問

「原木しいたけまき寿司」に使われるキュウリを手にする谷山さん(京丹波町安井)

 「美しいふるさとをみんなの力で守っていこう」をスローガンに、米や野菜の栽培から食品加工までを手がける農事組合法人「京丹波ほたるの里」(京都府京丹波町安井)元理事の谷山正さん(78)。現在は顧問として黒豆を使ったみそやもろみ、マドレーヌなどを作る加工部門で業務に携わる。

 加工品は京丹波町曽根の道の駅「京丹波味夢の里」でリピーターがいるほどの好評。肉厚のシイタケとみずみずしいキュウリにこだわった「原木しいたけまき寿司(ずし)」は「予約して現地に行き、並ばないと手に入らないほどの人気商品になれば」と夢を語る。

 同町で生まれ育ち、高校卒業後は電電公社(現NTT)で約40年働いた。退職して数年後の2005年、高齢化や人口減少で増加していた耕作放棄地を何とかしようと、地元の仲間4人で「楽農ファーム」を立ち上げ、米と黒豆の栽培を始めた。これが07年の同法人の立ち上げへとつながる。

 「余生は農業と趣味のゴルフをしてゆったり過ごすつもりだった」という谷山さん。法人設立後は一転、現場の運営や会報作り、新商品の開発などを担当し、寝る間を惜しまず仕事に打ち込んだ。

 町内外のイベントに積極的に参加することで販路拡大を図り、獣害対策のために取得した狩猟免許を生かして、仕留めたシカやイノシシを振る舞う交流会を開催。大学生や外国人留学生に田舎暮らしや農業を体験してもらう企画や、消費者が農地に足を運んで農作物の収穫と購入を同時にする「はたけで直販」なども考案した。

 加工部門で調理を担う妻の千栄子さん(77)は「アイデア豊富でこだわりが強い。生まれながらの段取りの良さや企画力、采配力が生きているのでは」と話す。

 20年から新たな役員に業務を引き継いだ。資金繰りや後継者不足、米価の下落など、農業法人の抱える課題は多いが「多くの人に支えられて、今日までやってこられた。新役員にはこれまで順調に運営してもらっており、とても安心している」と次世代のほたるの里に期待を寄せる。

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