岡山県 獣医師職員を追加募集 続く定員割れ、やりがいPR強化

学生(手前右)に仕事の魅力をPRする県の獣医師職員=8月、岡山理科大獣医学部

 岡山県が獣医師職員の確保に苦慮している。民間人気の高まりを背景に採用の定員割れが続いており、8人程度を募った2022年度の定期採用試験も応募は低調。合格者が1人にとどまったことから、県は追加募集に踏み切った。鳥インフルエンザや豚熱の家畜防疫といった重要業務を担うだけに、やりがいのPRにも力を入れている。

 県の獣医師職員は21年4月時点で98人おり、通常は家畜の伝染病予防や繁殖の調査研究などに従事している。来春は退職者補充のため8人程度を確保する計画だが、6月の採用試験の受験は3人のみだった。

 県によると、獣医系学生は近年、動物病院をはじめとする民間志向が高まっており、全国の自治体で獣医師職員の採用に苦慮する傾向にある。県でも17年度以降、募集枠に対して採用実績が下回る状況が続いている。

 県はこうした状況を受けて獣医系学生へのPRを強化。8月には獣医師職員が初めて岡山理科大獣医学部(愛媛県今治市)に出向き、仕事の魅力ややりがいを学生たちに対面で伝えた。

 県人事課は「近年は鳥インフルエンザの発生などで公務員獣医師の役割が高まっているが、このまま集まらなければ業務に支障が出かねない。やりがいを丁寧にPRし、1人でも多くの人材を確保したい」としている。

 追加試験の1次は10月16日に実施。希望者は県人事課(086―226―7217)のホームページから申込書を入手し、同4日までに同課に提出する。

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