触っただけで炎症も…猛毒「カエンタケ」に注意 東京・多摩地域で増加中

この秋、身近な場所に危険が迫っています。東京・八王子市の公園で、触っただけでも皮膚が炎症を起こすという毒キノコが見つかりました。市の担当者が注意を呼びかけています。

普段から多くの人が利用する八王子市の上柚木公園で、触るだけでも危険な毒キノコ「カエンタケ」が見つかりました。この公園では8月上旬にカエンタケが初めて見つかり、八王子市はすぐに除去作業を行いましたが、同じ切り株に何度も生えてきているということです。厚生労働省によりますと、色鮮やかな赤やオレンジ色が特徴的な毒キノコ・カエンタケはブナやコナラなどの木の根元や周辺の土から"手の指が出ているように”生えていてます。また毒性が強く、触っただけで皮膚が炎症する恐れがあり、少量でも誤って食べると、場合によっては死に至るケースがあるといいます。

この公園では9月14日にも再びカエンタケが見つかったため、15日も除去作業を行い、現在は人が入れないように柵が設けられています。多くの家族連れも訪れる公園ということもあり、利用者からは「子どもは赤いと手が出ちゃったりする。よく子どもがサッカーをしていたりするから怖い」など、心配する声も聞かれました。

カエンタケは近年、多摩地域で発生が増加しているといわれていて、八王子市でも毎年数カ所の公園で見つかっているため、市の担当者は「オレンジ色から赤と非常に目立つキノコなので、木の根元に見かけたら決して触らず、そのまま置いておいてほしい。できれば公園管理者などに知らせてもらえるとありがたい」と話し、注意を呼びかけています。

<秋は「有毒植物」の食中毒に注意>

今年、首都圏では神奈川県内でカエンタケの発見が相次いでいましたが、ついに東京都内でも確認されました。過去には、町田市などでもカエンタケが見つかったことがあります。

カエンタケは子どもの手のような形で、赤い色をしています。触るだけでも皮膚に炎症を起こすことがあり、誤って口にした場合、死亡例も報告されています。地表部分のカエンタケを駆除してもまた生えてくるので、完全な駆除は難しいということです。「ナラ枯れ」と呼ばれる現象が起きている場所で多く発見されているため、葉の色が変化している広葉樹の林では特に注意してください。鮮やかな色のため、毒性を知らない子どもが誤って触ってしまわないよう、周囲にいる大人が注意してあげないといけません。

そして、今の時季はカエンタケ以外にも有毒植物による食中毒が増えるため、気を付けなければいけません。これからの季節はキノコ狩りのシーズンを迎えますが、専門知識を持たずに食べて危険な目に遭うケースが毎年多く報告されています。

例えばツキヨタケ・ドクツルタケ・ベニテングタケなどは全部毒キノコですが、毒のない似たキノコと見間違えて食べてしまう事例が後を絶ちません。他にも、今の時季に開花を迎えるチョウセンアサガオも誤って食べてしまう例が多く報告されています。チョウセンアサガオの根の部分を「ゴボウ」と間違えて食べてしまった事例が多くあります。ゴボウには白っぽい綿毛が生えています。また、チョウセンアサガオのつぼみを「オクラ」と間違えて食べてしまった事例もあるので注意してください。

まだまだ身の回りには知らずに口にすると危険な植物がたくさんあります。"地味な色のキノコは安全”などの言い伝えは間違っています。安易に判断しないで、確実に知識のある専門家の指導を受けるようにしてください。

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