梅収穫ワーケーションの効果や可能性紹介

梅収穫ワーケーションの良さについて語る島田由香さん(和歌山県みなべ町で)

 和歌山県みなべ町で「梅収穫ワーケーション」を実施した団体「チーム・ワー」を主宰する島田由香さんの講演会が12日、みなべ町内であった。島田さんは、県外から参加した人にも、受け入れ農家にも好評だったといい、梅収穫ワーケーションの効果や可能性を紹介し、来年以降も継続したいと協力を呼びかけた。

 講演会はみなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会とみなべ観光協会の共催。島田さんは、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス人事総務本部長を務めた後退職し、現在はウェルビーイング(心身ともに健康で社会的に良い状態)を広める活動をしている。

 6月、島田さんらは地元の有志と協力し、県外から来た人たちが梅の収穫を手伝いながら仕事もする「梅収穫ワーケーション」を企画、実施した。1カ月間に首都圏の会社員など123人(延べ240人)が参加し、11農家で梅の収穫や選別作業などを無償で手伝った。

 島田さんは「みなべ・田辺から変える未来 梅収穫ワーケーションから学ぶ」と題して講演。取り組み終了後にアンケートした結果、参加者は全員が「良かった」という回答で、梅収穫ワーケーションの前後を比較すると、前向き、積極的な感情が高まっていることが分かったこと、ウェルビーイングを体験できた人が多いと紹介した。

 「人との出会いが宝物」「自然や人からエネルギーをもらえた」「無になるくらい集中できた」「梅を食べるようになった」など参加者の感想も伝えた。

 その上で、来年は5月から7月の3カ月間に期間を延ばし、世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」のエリアである田辺市にも拡大したい考えを示した。また継続していくためにも、参加者の交通費や宿泊費、運営などのサポートが欲しいという要望や、県内で産物や時期を変えて実施を検討していることも伝えた。

 島田さんは「地域がポジティブになると、雇用や起業につながったり、県外から来る人も増えたりするのではないかと希望を持っている。前向きな関わりをしたいので、ぜひ来年も応援いただけるとうれしい」と呼びかけた。

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