水温上昇や貧栄養 海の変化対応を 連続シンポ前に高校生ら事前討議

海の変化について発表する参加者ら

 持続可能で活力ある地域づくりを考える連続シンポジウム「SDGs地域課題を探る」(山陽新聞社主催)の第3回「豊かな海 守るため」の事前ワークショップが15日夜、岡山市内で開かれた。高校生ら約20人がオンラインを中心に集まり、海水温の上昇や貧栄養化、水産資源の減少といった海の変化に対応が必要と確認した。

 岡山水産物流通促進協議会の森下倫年会長は、厳しい排水規制で瀬戸内海の水質が改善した一方、窒素やリンなどが海中から取り除かれたことで食物連鎖が崩れ、水産資源に影響が出ているとし、「水質を保全しつつ多様な生物が生息する『きれいさ』と『豊かさ』のバランスを取ることが大切」とまとめた。

 岡山学芸館高(岡山市東区西大寺上)3年入沢佳苗さんは、備前市日生沖での海草・アマモを復活させる取り組みを紹介。「アマモは海洋酸性化や地球温暖化の防止、生物多様性の向上に効果があると考えられる。発芽に最適な環境の研究を進め、持続可能な海づくりに貢献したい」と話した。

 参加者からは海水温の上昇などで、岡山県を代表するママカリやイイダコが激減し、南方系の魚やハモが増加するという県内で取れる魚の変化が指摘された。

 ワークショップは、県内のNPOなどによる「SDGsネットワークおかやま」が開催。討議内容をシンポに反映させる。

 昨年始まったシンポは今年、新シリーズとして計4回開催の予定で、第3回は23日午後2時から、山陽新聞社さん太ホール(岡山市北区柳町)で開催。申し込みは特設サイト(https://c.sanyonews.jp/sdgs_sympo)で、無料。当日はライブ配信もあり、視聴の予約は不要。問い合わせは、同社NIE推進部(086―803―8075=平日午前10時~午後6時)。

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