「ベルばら」の池田理代子氏「漫画は害毒」「女のくせに家建てやがって」連載時の苦悩を回顧

連載開始から50年を迎えた人気漫画「ベルサイユのばら」の原作者・池田理代子氏(74)が16日、東京シティービューで、開催を翌日に控えた「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展-ベルばらは永遠に-」のオープニングセレモニーに参加。同作のファンである元モーニング娘。の高橋愛とトークを展開し、当時の〝逆境〟を振り返った。

池田氏は同作の連載時を、漫画を文化として認めてもらえず「漫画は害毒だとものすごく責められた。記憶としてはずいぶん叩かれなあと」と回顧。家を出ると、見知らぬ男性から「女のくせに家なんか建てやがって」と言われた経験もあった。〝逆境〟に立ち向かうべく、フランス革命前後のベルサイユを舞台に活躍する男装の主人公・オスカルに願いを込めた。「オスカルには性別に関係なく勇気と人生を切り拓いていけるんだっていうのを描きたかった」と明かした。

同氏はオスカルをイメージした衣装に身を包んだ高橋を見て、笑顔を浮かべた。オスカルのスリーサイズは、自身と一緒だとぶっちゃけトークを展開。「読者の方から教えてほしいといわれて。私のスリーサイズをそのままに・・・」と告白した。オスカルのモデルはフランス革命において、国王軍から民衆側に寝返り指揮をとっていた人物だといい、「祖父が職業軍人だったので資料をもらって調べたんですがよく分からなくて。なので女性にしちゃおうと思った」と説明した。

本展では、連載当時の貴重な原画を、池田氏の作品への思いや言葉を交えながら展示。開催は11月20日まで。メッセージを求められた同氏は「ついつい自分の年齢の話になってしまうんですけど後期高齢者ですので・・・」と切り出し、「私が遠くない将来いなくなっても、ベルサイユのばらを読んで感動してくださった思いを子供たちに伝えてずっと受け継いていただければ」と願いを語った。

オスカルをイメージした衣装で登場した高橋愛
トークを展開する池田理代子氏と高橋愛
「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展ーベルばらは永遠にー」展覧会のキービジュアル (C)池田理代子プロダクション

(よろず~ニュース・松田 和城)

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