MotoGPクラス最後の一枠が決定。アウグスト・フェルナンデスがGASGASと契約してMoto2から昇格

 9月16日、2023年からロードレース世界選手権のMotoGPクラスに初参戦するKTMの傘下であるスペインのメーカーGASGAS(ガスガス)は、現在Moto2クラス参戦しているアウグスト・フェルナンデスをGASGAS Factory Racing Teamのライダーとして起用すると発表した。

 現在Red Bull KTM AjoからMoto2クラスに参戦中のアウグスト・フェルナンデスは、25歳のスペイン人ライダーだ。2017年の第6戦スペインGPでMoto2クラスのデビューを果たし、2018年はヨーロッパ選手権のMoto2クラスと並行してロードレース選手権のMoto2クラスに参戦した。

アウグスト・フェルナンデス(Red Bull KTM Ajo)/2022MotoGP第12戦イギリスGP

 そして2019年からは再びロードレース世界選手権のMoto2クラスに参戦し、怪我により2戦欠場となったが、3勝を記録してランキング5位を獲得した。その後もMoto2クラスに参戦し、6年目を迎えた今シーズンからはRed Bull KTM Ajoに移籍し、4度の優勝を含む6度の表彰台を獲得。現在はタイトル争いを繰り広げており、ランキング2位の小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)に4ポイント差をつけて、ランキング首位に立っている。

 そんなアウグスト・フェルナンデスは、2023年からガスガスがKTMのサテライトチーム、テック3KTMファクトリー・レーシングとタッグを組んだチームGASGAS Factory Racing Team(GASGASファクトリー・レーシング・チーム)からMotoGPクラスへと昇格することが決まった。チームメイトは2017年から4年間、レッドブルKTMファクトリー・レーシングで戦ったポル・エスパルガロだ。

 ベテランライダーのポル・エスパルガロとルーキーライダーのフェルナンデスのふたりが、2023年シーズンに新生チームから参戦することとなる。また、これで2023年シーズンを戦う22名のライダーの全ラインナップが全て揃ったことになる。

■アウグスト・フェルナンデス
「ガスガスと一緒にMotoGPにジャンプ(昇格)できることは最高だ。昨年にRed Bull KTM Ajoと契約を締結して以来、レースに関わるすべてのサポートに感謝したい。本当に嬉しいよ。夢のようだ。まだMoto2でやるべきことがあるからタイトルを獲得して、最高の形で次の挑戦となるMotoGPに行きたい」

2023年にMotoGPにステップアップするアウグスト・フェルナンデス(GASGASファクトリー・レーシング・チーム)

■エルベ・ポンシャラル(チームプリンシパル)
「ここ数年間、アウグスト・フェルナンデスを見守っており、2年前にはすでに最高峰クラス昇格に関して話し合ったことがあったが、彼はまだ大きなジャンプに対して、準備ができていなかった。最近会ったときには、MotoGPクラスに挑戦する準備ができていることがはっきりわかった」

「我々のガレージには、ポル・エスパルガロとアウグストがいて、経験と若さの組み合わせとなることから、来シーズンが楽しみだ。彼らはスペイン人であり、前向きで建設的な手段で仕事をすることだろうし、これは我々が探していたことだ。アウグスト、MotoGPへようこそ。落ち着いて、Moto2のチャンピオンシップに集中するように。オフィシャルテストが開催される最終戦バレンシアGP後の火曜に、ガレージで待っているよ」

2023年にMotoGPにステップアップするアウグスト・フェルナンデス(GASGASファクトリー・レーシング・チーム)

■ピット・バイラー(モータースポーツディレクター)
「アウグストはMotoGPにおけるガスガスのストーリーの最初の年に、特別なオールスパニッシュの味付けを完成させた。アウグスト・フェルナンデスは、アキ・アジョのチームで素晴らしい仕事をしており、トラック上ではハードにファイトし、非常に接戦のチャンピオンシップで違いを生み出す手段を知っていることを証明した」

「2023年にポル・エスパルガロに次ぐチャンスを掴み、MotoGPとは何かを発見するために、あらゆることをしたと感じている。彼は競争が非常に激しい中で、最も厳しい一歩を踏み出そうとしているが、我々は彼を信じ、彼も我々を信じ、それが一歩前進する最良の理由だ」

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