衆院区割り案「非常にいびつ」 自民県議団が国への意見書案

 「1票の格差」是正のため衆院小選挙区定数を10増10減する区割り改定案について、岡山県議会最大会派の自民党県議団が「広大すぎる選挙区が発生するなど非常にいびつだ」として、見直しを求める国への意見書案をまとめたことが、16日分かった。他会派にも賛同を求め、開会中の9月定例県議会への提出を目指す。

 改定案は6月、衆院選挙区画定審議会(区割り審)が岸田文雄首相に勧告。10月3日召集見込みの臨時国会で関連法案が審議される見通し。県内小選挙区は現行の5から4に再編され、県北西部の18市町村で構成する「新3区」は面積が県土の約7割を占める広大な選挙区となる。

 意見書案では、選挙区の広さが極端に異なるこうした「線引き」によって「各地域に新たな課題が生じる恐れがある」と指摘。「平成の大合併」で生じていた行政区の分割解消は評価しつつも、定数減に伴い「厳しい状況にある地方の声が届きにくくなる」と改めて記した。

 さらに人口推計に基づけば県内定数が将来、現行の5に戻る可能性にも触れ「頻繁に選挙区が変われば、有権者が混乱する」と懸念。その上で「(定数1減の見直しなど)あらゆる可能性について、総合的かつ柔軟に検討するよう強く要望する」とした。

 自民は県議会内で圧倒的多数を占めており、意見書案は原案通り可決される見通し。今後、総務委員会の発議とする方向で他会派との調整を進めるという。

 区割り審の勧告 2020年国勢調査人口に基づき、東京都と神奈川、埼玉、千葉、愛知県の定数を計10増する一方、岡山、広島、宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、山口、愛媛、長崎の10県を各1減とする。比例代表も3増3減され、中国ブロックは1減の10となる。

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