「逆張り」出店攻勢も サービス業、コロナ後見据え 群馬県内

居抜き物件を活用して開店した「炭火ビストロ ゲーテ」=群馬県高崎市

 新型コロナウイルス感染症は飲食や娯楽などの対人サービス業に大きな影響を及ぼし、企業に事業の見直しや業態転換を迫った。今も飲食業界では、閉店やデリバリー専門店への転換といった動きが目立つ。一方、コロナ収束後を見据え、他社が撤退した物件などを取得して出店攻勢を強める「逆張り」の戦略に活路を見いだす事業者もある。

 「こういう状況でないと空かない物件もある。一つのチャンスと捉えている」。飲食店運営のドッツ・カンパニー(群馬県高崎市)は、県内に展開する6店のうち、3店舗を感染拡大後に出店した。新井和彦代表は「必ず外食需要は戻る。今はぐっとこらえて、コロナ収束後に飛躍したい」と力を込める。

 8月には、JR高崎駅にほど近い同市連雀町の居抜き物件を取得し、洋風居酒屋「炭火ビストロ ゲーテ」を開店した。客との触れ合いが好きでこの仕事をやっているという新井代表は「テイクアウトや宅配に転換するのではなく、外食にこだわりたい」と話す。

 人材派遣の群馬総合スタッフ(前橋市)は昨年、飲食事業に参入した。これまでに同市内にジンギスカン専門店1店舗とレストランカフェ2店舗を出店した。消費行動の変化を踏まえて小ぶりな店構えとし、キッチンカーと宅配サービスを組み合わせる。

 石巻幸之介常務は「内食や中食への移行が進んだが、店で食べるのが一番おいしい。外食需要を取り戻していくんだという強い気持ちで、キッチンカーや宅配で採算を取りながらやっていきたい」と力を込める。

 カラオケ店「まねきねこ」を展開するコシダカホールディングス(同市)は、2025年8月末の国内カラオケルーム数を19年同月比1.8倍の2万室に増やす目標を掲げ、出店攻勢を強めている。

 重点出店先に位置付ける東京、千葉、神奈川、埼玉の1都3県について、駅前や繁華街で居抜き物件の取得を進める。コロナ前には空かなかったような好立地の物件も出ているという。

 土井義人常務は「コロナで撤退する店を含め、物件の紹介が増えている」として、「市場規模を考えれば拡大の余地があり、お客さんも戻ってきているので再び(出店の)アクセルを踏みたい」と話した。

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