【應援指導部】応援全体をマネジメント!応援企画責任者インタビュー

6月にも対談で貴重なお話をしてくださった応援企画責任者の方に再びインタビューをしました。本日初戦を迎える野球の東京六大学秋季リーグ戦に向けて必見です!

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――自己紹介をお願いします

慶應義塾大学應援指導部吹奏楽団4年です。本年度、応援企画責任者をやらせていただいています。

――全体の人数は

吹奏楽団全体だと37人です。應援指導部全体だと110人くらいです。

――同期の仲はいいですか

すごく良いです。應援指導部は吹奏楽団とチアリーディング部という2部門からなる団体で、4年生は全体で30人くらい、吹奏楽団だけで11人いるのですが、先輩を見ていても自分らの代はかなり仲の良い方かなと思います。

――プライベートでのメンバーとの交流はありますか

あります。オフの日に同期と会うのはコロナもあってあまり無くなってしまったのですが、昔は誕生日会・飲み会などをやっていました。ちょうど昨日(取材日:9月13日)もラクロスの応援があったのですが、ラクロスの応援が終わった後にそのまま吹奏楽団の後輩を連れてご飯に行きました。そういうようなこともあるので、割と交流はある方だと思います。

――同期の仲の良さの秘訣

それを最近結構考えるのですが謎で、最初から結構仲が良くて誕生日会やろうとなっていました。結構きつい環境だったのでそれに対して皆で団結してやっていこうというのもありました。コロナ禍で疎遠になるというか皆で活動することが難しくなりましたが、4年生になってまた結束が強まってきて、最近はよく「なんか仲良いよね」という話をします。

――授業がある日の1日のスケジュール

授業は大体三田なので三田まで行って、6時から部活が始まるので、火・水・木曜日は6時ぐらいまでに日吉に行きます。月・金曜日はバイトなどをしています。

――文武両道は大変では

そうですね、まず文武両道ができているかは置いておいて、結構課題の量とかは履修の段階で気にしますね。本当は逆なのですが、個人的には部活がやっぱり一番で、そっちができてから授業という考え方なので、いろいろ先輩とかに聞きながら何とかやりくりしています。

――オフの日の過ごし方

最近はあまりオフが無くて微妙なのですが、結構寝ますね。とりあえずゆっくり寝て、お昼を食べて家でのんびりするか、友達とちょっと出かけるかという感じですね。でも基本的に出かける友達は部活の同期なので、部活に縛られていますね(笑)。

――今年の夏休みのオフの過ごし方

試験の期間を使って1回旅行に行きました。試験の期間は基本的に部活が入らないので、その期間にまとめて遊びに行ったりします。それと應援指導部は例年合宿があると合宿後の1週間がオフになるのですが、今回合宿がなかったので8月20日ぐらいから9月の初めぐらいまでがオフになりました。ただオフの日にも急遽試合会場での応援が入ったりするので、今回はひたすらバイトして活動に出てというように過ごしていたら、オフがなぜか終わった、という感じでした。

――今年の夏に取り組んだこと

普段は夏曲といって夏休みで1曲やるのですが、今年はもう定期演奏会の曲の練習を始めています。演奏もドリルも今はもう定期演奏会に向けてずっとやっています。

――これまでの4年間を少し振り返っていただきたいと思います。入部したきっかけは

音楽を始めたのは(慶應)普通部の頃で、塾高(=慶應高)在学時には吹奏楽部に入っていました。その吹奏楽部が高校野球の応援とかをやっている部活だったので甲子園に連れていってもらったりしていました。正直大学入る時は、もはや應援指導部に入るために大学入るぐらいの感じでした。応援と音楽を続けたくて、その2つを続けられる部活はもうここしかなかったので、應援指導部に入部しました。

――入部する時の周囲の反応はどうでしたか

もともと應援指導部に入ると話していたので、家族も驚くことはなかったです。友達は、まず應援指導部と聞くと「じゃあ学ラン着て声出すの」というイメージで、「いやそうじゃないんだけど、楽器吹くんだよ」「ああ吹いてたもんね」という感じでした。

――4年生になってからの半年間はどうでしたか

昔では考えられなかった、女子が応援指揮を振るとかは、3年生の時から既にあったのですがどんどん増えていって、そこはすっかり変わったと感じています。

――4年生になり吹奏楽団を引っ張る立場として、新体制への移行で想定通りにいった部分・いかなかった部分は

新体制になり吹奏楽団としてやることが変わったかと言われると、正直変わってないです。昔からやっていることは楽器を演奏する、それが一番分かりやすいというかシンプルです。良くも悪くも特に反発とかはなく、吹奏楽団としては非常にすんなり移行できたことです。あとは新体制になって新たな仲間が吹奏楽団に入ってきたということもあったのですが、もともと仲が良かったので、むしろ「楽器吹いてくれるの?!」という感じで、そこは本当に部員に感謝です。

反対に想定通りにいかなかった部分は、応援指揮や塾旗の掲揚などを吹奏楽団もできるようになってできる人たちが増えていく中で、何が吹奏楽団なのかという悩みが出てきたことです。僕も応援中に旗を持っているのですが、そこで「吹かなくていいのかと」、と。これは今後すごく問題になってくると思います。やることがすごく増えていて、自分たちが何をやるべきなのか、どれをやるべきなのか、というのは難しいですね。こうしたことはコーチとも話しています。

――性別にとらわれない役割分担など社会の価値観が変わる中で、社会が求める應援指導部の姿に変化は感じるか

社会が求めているのはやっぱり性別の多様性だと思っていて、それももちろん大切だと思っているのですが、それにとらわれ過ぎずに本質を見て、結果として男子も女子も関係なくやっていくことがベストだと思っています。女子が応援指揮をやっていたり、旗を持っていたりするだけで見ている人からの反応は変わり、「女の子がやっているんだ」と言われることがあるのですが、個人的には大切なのはそこではなくて、今までリーダー部という組織に集約されていたツールが吹奏楽団とチアリーディング部の中で共有されているという事実が最も大事だと思っています。つまり別に男子も女子も関係なくて、どの部門の人が何をやるかが大切だと思っています。

――これから卒業までの半年間で力を入れたいこと

全部の活動を全力でやりたいと言いつつ、やっぱり応援企画責任者というところで応援活動の責任者をしているので、特に応援は全力でやりたいなと思っています。野球のリーグ戦はもちろんですし、他の体育会のリーグ戦・慶早戦も、残り半年だから頑張るというわけではもちろんないのですが、今まで通り、又はそれ以上に楽しんでできればと思っています。

吹奏楽では、演奏(座奏)とドリルの2つが練習としてあって、その2つは中学からずっと楽器を続けてきて大学で一区切りだと思っているので、最後しっかりと納得した演奏ができるようにしたいです。自分はサックスを吹いているのですが、サックスの練習に今すごく燃えています。

――部員として大切にしてきたことは

1年生の時からずっと、全ての活動を楽しむことと、楽しんだ上で全力でやるということを大切にし続けています。そうやって楽しんで全力でやっていると周りにも伝播すると思っていて、そういう起点になれるような人でありたいというのが理想であり、大切にしてきたことです。

――練習を楽しむのは部全体の雰囲気ですか

そうですね、全員が全員かどうかは分からないですが、吹奏楽団の練習はやっぱり結構楽しそうにやっている部員が多いですね。

――應援指導部・吹奏楽団を続けてきたからこそ得られたものは

応援は科学的ではないです。「本当にいるのか」と言われたら実際のところは分からないですし、例えばプロ野球と小学生のチームが戦って小学生の方を地球人全員が応援したとしても正直勝てるのかは分からないですよね。でも、そこの何か科学的じゃない部分、つまり自分たちが全力でやったから結果が出る訳ではない部分に全力を捧げる美しさ、美しさというと言い過ぎかもしれないですが、全力を捧げる経験というのは、この部を通して得られた一番大きいものだと思います。

応援に全力を捧げる

――應援指導部の存在意義は

應援指導部が存在意義として掲げているのは、応援を通して慶應義塾を感じられる場所を作り、若き血を滾らせる、というものなのですが、割とその通りかなと思っています。慶應らしさとか、慶應に行って良かったということをどうやったら感じてもらえるのだろうと考えたら、やっぱり若き血とかそういう歌を肩を組んで歌う、といった場面を想像される方が多いのかなと思っています。コロナとかいろいろあったので今の大学生がどう思っているかは分からないのですが、やっぱり自分はそういうものが大事だと思っていて、應援指導部しか恐らくそういった場所を提供できないとも思っています。野球の慶早戦があっても応援が無かったらただの野球観戦ですし、やっぱり想像しやすいのは野球の慶早戦行って、勝利して皆で若き血を歌うとか、三田会で皆で若き血を歌うとか、そういう場面にいられるのが應援指導部の強みであり、存在意義であると思っています。

――應援指導部にとって体育会とは

体育会の人たちがいないと應援指導部は成立しないと思っています。メインは戦ってくれる選手で、野球だけではなくてアメフト・ラクロスなどいろいろな選手がいて試合があり、そこに駆けつける人たちがいて、そして應援指導部がいて成り立っています。体育会の存在が全ての根本であり、体育会の選手たちの頑張りのもとで全部が成り立っていると思うので、存在してくれてありがとうという感じです。

――他大との交流はありますか。

あります。ただ僕らの代は結構交流が少ない方で、本当は2年生の時に合同演奏会で吹奏楽団の2年生が他大の人たちと1つの曲をやるというのがあるのですが、僕らの代はコロナの影響でそれが無かったです。4年生になって神宮球場に行ったりすると他大のリーダー部の人たちとはけっこう話すようになりました。なので割と交流はあります。

――早大の応援部との交流はありますか。

仲良くさせてもらっていて(笑)、同じポジションの吹奏楽団の応援責任者の子とか、あとは指揮の子だとか、4年生になってかなり交流は増えて、今度ご飯行こうね、みたいな話もしています。春の慶早戦で合同の企画もあったので、そういうところで打ち合わせとかをしてすごく良い奴だなというのは思いつつ、お互いに段々慶早戦を迎えるにあたって意識し合うというか(笑)。ただこの間早大の試合があって、早大が法大に勝ったのですが、「おめでとう」と送って、毎回そういう感じですね。慶早戦以外の場では仲間みたいな感じですね。

――春に行った合同企画とは

早大と一緒に合同で演奏して、早大のチャンスパターンと慶大のチャンスパターンを混ぜて一緒に合同で演奏する、という企画をやりました。秋もそれをやるかは分からないのですが、どちらにしても吹奏楽団で毎年同じ曲を同じタイミングで演奏するという企画はもう結構長い間やっています。

――今後早大と共同でしてみたいことは

神宮球場のデコレーションです。慶早戦の時、神宮球場に慶大と早大がお互い大きな看板みたいなものを設置することができます。それがコロナで2019年度以降は無かったのですが、早大がやりたいと言っていて、それならこっちもやりたいと思っていて、できるか分からないのですが実現したいです。

――同期に向けて一言

さっきも言った通りすごく仲の良い代で、これは別に対外的に言っているわけではなく本当に良い代です。仲良しこよしでやっているのではなくて、何か違うことに対してはズバッと言ってくれる人が多くて、そこに関しては本当に感謝しかないです。お互いがお互いを支え合って今まで4年間やってきているというのはもう同期のおかげなので、本当に感謝しかないです。もう本当に大好きです!

――應援指導部に入部を検討している、少しでも興味がある高校生に向けて一言

應援指導部は慶應義塾の体育会の中で1番画数が多い部活だと思います。そのためすごくいかつそうに感じるかもしれないですが、別にやっていることは楽器を吹くか踊るか、応援指揮を振るか、といったところでとてもシンプルなものです。応援という一つのもの対して没頭できる部活なので、何かに全力で取り組みたい人はぜひ入部をお待ちしています。

※厳密には、應援指導部は福利厚生団体に属しています。

――一貫教育校以外の吹奏楽部で活動していた人でも大丈夫か

もともと普通の吹奏楽部だった部員が結構多いです。楽器を吹けるだけでだいぶ違うと思います。また楽器初心者の人も多く、正直楽しめる人であれば誰でもやっていけると思います。

――今秋の慶早戦に向けての意気込み

競技によって、AO入学・スポーツ推薦などでどうしても早大が強かったりする競技もあるのですが、気持ちとしては1つも負けたくなくて、特に野球の秋のリーグ戦での慶早戦というのは是が非でも勝ちたいです。もちろん早大とは仲良くやらせてもらっているのですが、そこだけはもう絶対勝ちたいです。そのために選手が勝てるような応援を届けたいと思っています。他の競技でも慶早戦となると「ヨシッ」となるので、全部勝って終わりたいです!

――お忙しい中ありがとうございました。

(インタビュー:五関優太)

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