長崎大にインターン協力 三菱UFJ銀行長崎支店 県内就職促進へ企業紹介

インターンシップでメタバースについての報告をする学生=長崎市岡町、谷川建設

 三菱UFJ銀行長崎支店は、長崎大の学生のインターンシップ先として、県内企業を紹介する取り組みを始めた。学生の県内就職を促したい大学側の要請を受けた。同行では全国初の試み。
 同大の調査では、2020年度の同大の就職希望学生の就職率は97.1%と高水準だが、県内企業は30.5%にとどまる。現在は県のインターンシップ推進協議会が中心となり、県内企業と学生の仲介をしているが、新たな受け入れ企業を開拓しようと大学側が同行に相談。同行が地域貢献の一環として昨年11月から準備を進めた。
 同行の働きかけで▽アイティーアイ▽安達▽谷川建設▽福栄▽三菱長崎機工-の5社が手を挙げた。8月から各社で1人ずつ、最低でも2週間以上、学生を受け入れている。
 長崎市の谷川建設では、情報データ科学部3年の川口真矢さん(20)が約1カ月実習。住宅業界で関心が高まるメタバース(仮想現実空間)についてのリサーチを任され、社員らに報告した。「大学で学んだことが、企業活動でどのように役立つのかが勉強になる」と話す。同社の担当者は「これだけ長期間のインターン受け入れは初めて。現場で学生を受け入れることで、人材育成への意識を全社的に高められる」と手応えを口にする。
 受け入れ企業は、1人当たり120万円を活動支援金として同大に寄付。基金として管理し、インターンの運営に充てたり、学生に一定期間給付したりする。三菱UFJ銀行長崎支店の増子裕之支店長は「同じ枠組みを他の地方にも広げて行ければ」と話している。

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