京都・宇治のO157食中毒死「レアステーキ」と主張する社長が謝罪、説明した内容は

精肉などを販売する「MEAT&FRESH TAKAMI」の店内(京都府宇治市)=ジィーシーエム提供

 京都府宇治市の食品店「MEAT&FRESH TAKAMI」が販売した牛肉による集団食中毒で、肉を食べた90代女性が腸管出血性大腸菌O157で死亡したことを受け、運営会社「ジィーシーエム」(同市)の高見純社長が16日、京都新聞の取材に応じ、同店のほか京都府、兵庫県の精肉店全7店舗の営業を自粛したことを明らかにし、「信頼を裏切る結果になり、深くおわびします」と陳謝した。

 高見社長によると、死亡した女性が食べたのは、同社が「レアステーキ」と称して1パック70グラム、税抜き640円で販売する人気商品。「生肉を約300度で6分間、スチームコンベンションという装置で加熱処理し、細切りにして販売している」と説明した。

 下痢や血便の症状が出た患者が肉を購入した8月下旬、同店で肉の加熱処理を行う従業員が新型コロナウイルスに感染し、「通常は5人のところを2人で処理していた」という。

 府山城北保健所は、同店が販売した肉を生食用の「ユッケ」とみるが、ユッケの提供に必要な加工調理の届け出は府に出されていなかった。高見社長は「知識不足だった」と話し、再発防止体制が整うまで全店を休業するという。

 府によると、亡くなった女性を除き、同店の「レアステーキ」や「ローストビーフ」を食べた9~87歳の男女22人が食中毒の症状を訴えた。

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