廃止路線の最期に注目してみませんか 「曲渕(まがりぶち)」バス停

一見なんてことないバス停とそのまわりも、視点を変えれば観光資源。そんな思いで福岡市のバス停を取り上げ、ご紹介する本企画。連載23回目は「曲渕(まがりぶち)」バス停をご紹介します。

福岡市の西南部郊外に、曲渕(まがりぶち)という集落があり、終点バス停があります。

バス停の後ろには、うどん店です。
同じ早良区の室見に本店のある、「多め勢(ためせい)」さんの系列店だそうです。

バスは、平日が8本、土日祝日が6本、いずれも早良営業所までの運行です。天神や博多駅などの都心部に向かう場合は、早良営業所などで乗り換える必要がありました。

地元の人や登山客に利用されていたバスですが、このたび、

バス好きだけでなく、地元の人たちにとっても残念な、廃止告知が出ました。
代替として、飯倉タクシーさんが乗合タクシー運行されるので、街への往復手段は確保されます。しかしマニアとしては、バス停が撤去されること自体も哀しいわけで。

以前ご紹介した「西新パレス前」バス停の記事では、バス停が撤去されるのではなく、バス停にその名前を冠した施設が閉鎖するということで、施設とバス停との景色を記録に残しました。
>>記事はこちら:バス停とともに記録を残す「西新パレス前」

ただ、今回は「路線の廃止」なので、この場所からバスのある風景がなくなる、ということなのです。

撮影に向かったこの日、始発便が早良営業所から回送でやってきて、転回場で折り返し、街へ向けて出発していきました。

乗客は3人、多くはないですが、ちゃんと使っている人がいる中、廃止されてしまうのも時代の流れでしょうか。

すぐ近くには、水場もあって、

景色を眺めながら緩やかに時間を過ごすだけで、癒されます。

水遊びなどの観光目的で訪問される方のために、無料の駐車場も設けられています。

バスで訪問するのは面倒な場合、車で来ることもできますので、ここに西鉄バスが来ていた、バス停が立っていたことを、記録してみませんか。期限は今月の末までです。

バス停の記録に興味を持たれて、時間的に余裕があるならば、終点「曲渕」の隣のバス停にも注目してください。

終点「曲渕」バス停の一つ手前「大谷口」バス停

時刻表にご注目

終点バス停には、曲渕への到着便時刻が記載されていませんが、ひとつ手前のバス停なら、両方向の時刻が掲載されています。曲渕終点ですぐ折り返していたのか、どのくらいの時間待機していたのかを、後から知るための貴重な資料になります。

フクリパ編集部より

施設の閉館や路線の廃止と聞くと、それまで当たり前のように思っていた日々の風景の尊さを、余計に感じてしまいますね。
ですが、以前ご紹介した「1日に1本しかバスが来なかったバス停」の運行本数が増えていたように、良し悪しやコトの大小に限らず、あらゆるところで変化は起こっています。まずは近所でそれを探してみると、違う風景が見えてくるかもしれませんね。
外出もしやすい季節になってきました。今月末までの風景を堪能しに、バスに乗ってみてはいかがでしょう。

【基本情報】
バス停名:曲渕(まがりぶち)
・住所:〒811-1133 福岡県福岡市早良区曲渕[map]
・天神からの行き方一例(早良営業所で乗り換え):
STEP①:「天神警固神社・三越前 (六本松方面)」から快速200番 六本松 飯倉・野芥経由 早良営業所ゆきに乗車し、「早良営業所(終点)」で下車。約38分、440円
STEP②:「早良営業所(早良平尾方面)」から普通3番 曲渕系統に乗車。約18分、360円

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