旧北郷村(現宮崎県美郷町北郷)で昭和40年代まで製造されていた清酒「いすゞ美人」の生産を目指している「いすゞ美人復活委員会」は12日、かつての酒蔵で酵母菌の採取を行った。”幻の酒”復活へ向けて、産学官連携のプロジェクトが一歩を踏み出した。
この日は県食品開発センターと宮崎大、美郷町職員や町商工会の会員ら約20人が甲斐酒店に集合。前身の「甲斐酒造」時代にいすゞ美人を製造していた蔵で、木おけやひしゃくなどの道具、柱や天井などを綿棒や布で拭い、酵母菌の採取を試みた。
最後に酒造りが行われてから50年以上が経過。同センターによると、当時酒造りに使われていた酵母菌が残っている可能性もあり、当時の味の再現も期待できるという。今後約1カ月かけて酵母菌を培養し、県内の酒造会社で酒の試作を行う予定。
同酒店6代目の甲斐史浩さん(36)は「酵母が取れれば酒造りに大きく前進する。先祖が残してくれたものを後世に伝えるためにも、大いに期待したい」と話していた。
清酒「いすゞ美人」復活へ 産学官、味の再現期待
- Published
- 2022/09/17 19:07 (JST)
- Updated
- 2022/09/18 10:37 (JST)
© 株式会社宮崎日日新聞社