虐待疑いの犬や猫、行き場に懸念 藤沢の愛護団体から保護 「返還要請出れば元の場所に」

団体に預けられ口輪を付けられた犬(2020年撮影、告発した女性からの提供写真)

 預かっている動物を虐待した疑いがある藤沢市の動物愛護団体「レスキュードアニマルネットワーク」から保護された犬や猫、約100匹の今後の行き場について懸念が出ていることが18日までに分かった。同団体による虐待を告発した30代の女性は「刑事処分が出た後、団体から動物の返還要請が出れば元の場所に戻される可能性がある」と話している。

 昨年、女性らからの告発を受け、藤沢北署が同団体を捜査した。県警は昨年9月の家宅捜索で犬など約100頭を押収し、今年3月、同署が動物愛護法違反(虐待)の疑いで、同団体と代表の男性(59)を横浜地検に書類送検した。同署は、認否を明らかにしていない。近く刑事処分が出るとみられる。

 同団体は、かみ癖や威嚇するなどの問題ある犬や猫を保護・矯正する活動を展開しているという。代表の男性は「保護しなければ殺処分される犬や、(かみつけば)殺傷能力のあるような大型犬も預かっている」と説明。「訓練の中でたたかないといけないケースもあり、虐待ではなく矯正訓練の一環だ」としている。男性によると、かみ癖が直った飼い主から感謝の言葉を掛けられることもあるという。

 女性は「団体は体罰を正当化しており、動物をたたく『たたき棒』も使っている」と語る。

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