荒れたレースには「チームのフレキシブルな戦略が効く」と加藤寛規。若手の堤優威を称賛【第6戦GT300決勝会見】

 スポーツランドSUGOで開催された2022スーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』。9月18日の午後に行われた決勝レースを終え、GT300クラスで優勝を飾ったmuta Racing GR86 GTの加藤寛規と堤優威が決勝日を振り返り、次戦への展望を語った。

加藤寛規/第1スティント担当

「もう本当に言葉がないです。今年はクルマを変え、なかなかテストもすることができなくて僕もうまく対応することができていなく、堤選手やチームにも迷惑をかけていました。ただ、毎レースを追うごとに手応えがあり改善はしてきていました。ですが、それが今日のような雨のレースでは相性が合わない部分が全部打ち消されていて、非常に乗りやすいクルマになっていました」

「ウチのチームはレースだけではなく開発もしています。そういった部分ではブレーキなども、雨のなかドライタイヤで走行するときのブレーキなどもすごくアドバンテージになっていて、僕が自信を持って走ることができる状態になっていました」

「本当にブリヂストンさんのウエットタイヤもすごく素晴らしく、本当にパッケージが非常に良かったです。あとは、やはりチームのフレキシブルな戦略が、非常にこういった荒れたレースに効くと思うので、そういったところで非常にいいチームのパッケージだったなと改めて痛感しました。とりあえず『ホッとした』というような感じです」

「堤選手のことは、GTの予選でちょこちょこと前に来ていたので気にはなっていました。レースでも一緒に走ったとき『すごくスムーズに走るな』というイメージがあり、速いイメージを持っています。今年組むと決まったときには何も心配していませんでした。ただ、僕が思っていたクルマと全然違い、逆に堤選手はそういったクルマで速く走ってくれていたので、あとは僕がそれをなぞればいいだけだったので、いい教師でした。あとは、やはり若いのでまだまだ経験がないのですけど、すごく分析力があって感じ取るセンサーもいいので、みんなが思っているよりもはるかにいいドライバーだと僕は思っています。なのでGT500のチームでテストがあったら乗せてあげたいです。おそらく面白い結果になるのではないでしょうか」

「僕自身はランキングよりも、もっともっとチームの底上げと、残り2戦なのでどこまでできるかわかりませんが、クルマの開発をもう少し進めたいです。ですが、今のチームはすごく良いチームなので前進させてくれるでしょうし、これで残り2戦でもう一度表彰台に上がるべく、堤選手とチームのみんなで頑張りたいと思います」

2022スーパーGT第6戦SUGO 加藤寛規(muta Racing GR86 GT)

堤優威/第2スティント担当

「加藤選手からぶっちぎりでバトンを渡していただき、無事にトップでチェッカーフラッグを受けれたことに、本当に僕もホッとしています。今年一年はチームとして新しいクルマを1から開発していて、加藤選手が言ったようにブレーキだったり、タイヤに対してもまだまだわからないところがありました」

「ですが、加藤選手の第一スティントで非常に高いパフォーマンスを発揮してくれました。そこで大きなアドバンテージを得たことで、僕はすごく安心して走ることができました。また、今年のどこかで表彰台には乗りたいなと思っていたんですけども、今回はまさかの優勝というかたちで終わることができて非常に嬉しいです」

「加藤さんから非常に褒めていただき恥ずかしいのですが、加藤さんとは今年初めて組ませていただきました。ベテランで昨年も勝っていますし、ずっとロータスで活躍していた選手です。今年はGR86にマシンが変わって乗り方が全然合わなくて苦労されていましたが、僕の乗り方にすごくアジャストしてくれ、しっかりと走れるレベルまですぐ戻してきましたし、引き出しが多いので僕が知らないことをたくさんアドバイスしてくれます。コース外の人間性という部分でもすごくアドバイスをいただいているので、人生の先生として非常に尊敬しています。本当に教えてもらうことばかりで、昨年は若い選手とのコンビだったのですけども、こういった人生経験豊富な選手と組むことで、僕自身もレベルアップしているなと感じています」

「今回勝ってランキングは少し上位に上がったと思いますが、次戦のハーフウエイト、そして最終戦のガチンコ勝負で少しでも前に行けるよう、今回の結果を元にまたチーム一致団結して頑張りたいと思います」

2022スーパーGT第6戦SUGO 堤優威(muta Racing GR86 GT)
2022スーパーGT第6戦SUGO 決勝後会見に出席した加藤寛規/堤優威/千代勝正/高星明誠

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