バスティアニーニVSバニャイア再び。バスティアニーニが0.042秒差で雪辱の勝利を飾る/MotoGP第15戦アラゴンGP

 9月18日、MotoGP第15戦アラゴンGPの決勝レースがスペインのモーターランド・アラゴンで行われ、MotoGPクラスはエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)がフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)と優勝争いを展開し、これを制して今季4勝目を飾った。

 マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は1周目にファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)と接触し、その後リタイア。クアルタラロと中上もともに転倒リタイアとなった。

 決勝レースは気温25度、路面温度42度のドライコンディションで始まった。ホールショットを奪ったのはポールポジションスタートのバニャイアだったが、その後方では3コーナーでファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が前を走っていたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)に接触して激しく転倒。チャンピオンシップリーダーがここでレースを終えることになった。

 その後、8コーナー前で中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)がマルク・マルケスと接触してバランスを崩し、ストレート上で転倒した。コース上に残された中上の間を後方から来たライダーが走り抜けていく危険な状況だったが、中上はその後、コースサイドに自力で避難している。マルク・マルケスはこれらの接触後、ピットに戻ってリタイアとなった。

 波乱の幕開けとなったレースは、バニャイアがリードをキープ。ミラーが2番手、バスティアニーニが3番手につけ、バスティアニーニの後ろには10番グリッドスタートのブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)などが続く。

 6周目、バスティアニーニがミラーをかわして2番手に浮上する。さらにビンダー、アレイシ・エスパルガロがミラーをパスし、ミラーは5番手に後退。ビンダーが3番手、アレイシ・エスパルガロが4番手にポジションを上げた。

 バスティアニーニが2番手に浮上したとき、バニャイアとの差は0.8秒ほどの差があった。しかしバスティアニーニはその差を詰めると、9周目にバニャイアをオーバーテイク。バニャイアからトップを奪う。

 しかしバスティアニーニは12コーナーでラインを外してしまい、バニャイアがトップを奪い返した。バニャイアとバスティアニーニとの差は再び0.8秒ほどの差となるが、バスティアニーニはまたしてもバニャイアを追う。

 バニャイアとバスティアニーニとの差は残り5周で0.5秒、残り3周で0.2秒を切った。サンマリノGPで最終ラップまで優勝争いを演じたふたりが、アラゴンGPでも再び接戦を展開する。

 最終ラップの7コーナーで、ついにバスティアニーニがバニャイアをとらえた。バスティアニーニがトップ、バニャイアが2番手で最終コーナーを立ち上がる。

 バスティアニーニはトップでチェッカーを受け、優勝を飾った。2位はバニャイア。バスティアニーニとバニャイアとの差は0.042秒で、バスティアニーニが0.034秒で2位となったサンマリノGPの雪辱を果たした形となった。

チェッカーを受けた際の様子/2022MotoGP第15戦アラゴンGP

 一方、ビンダー、アレイシ・エスパルガロ、ミラーの3人による3番手争いは、残り2周でアレイシ・エスパルガロがビンダーをパス。アレイシ・エスパルガロが3位を獲得した。4位は、惜しくも表彰台を逃したが好レースを見せたビンダー、5位はミラーだった。

 この結果、チャンピオンシップでランキング2番手のバニャイアは、トップのクアルタラロとの差を10ポイントに、ランキング3番手のアレイシ・エスパルガロは17ポイント差に縮めた。また、ドゥカティが2022年シーズンのコンストラクターズタイトルを獲得している。

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