100kgウエイトで4位も悔しさ滲ませるランキング首位リアライズ。第7戦に向けては厳しい見立て【第6戦GT300決勝】

 9月18日に行われた2022年のスーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』決勝。サクセスウエイトの搭載上限の100kgを背負って挑んだランキングトップの56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は12番手グリッドから、4位までポジションを上げた。

「12番スタートから4位まで挙げられたので、いいレースはできましたし、最大限にタイヤも、チームも、ポテンシャルを引き出すことはできたと思います。ただ、やはり表彰台に上がりたかったですね」と語る藤波清斗の表情は険しい。

 17日に行われた公式予選で8番手タイムを記録した56号車。第5戦鈴鹿を終えて、オリベイラのペナルティポイントの累積が6ポイントを越えたため、4グリッド降格ペナルティが課せられ、12番手から決勝スタートを迎えた。

 前半スティントを担当した藤波はオープニングラップで11番手に浮上。セーフティカー(SC)明けも1分21秒台をキープして、じわりと前方との間合いを詰めようとしていた。しかし、13周を過ぎた頃から雨が降り始めると、15周目にピットイン。ウエットタイヤに履き替えることを選択した。

 降り始めの状況を、藤波は「僕らには厳しかったですね」と振り返る。

「ダンロップ勢(10号車GAINER TANAX GT-Rと11号車TANAX GAINER GT-R)はステイしましたが、僕らはドライタイヤのままステイはできなかったです。実はウエットタイヤへの交換を1周遅らせたのですけど、それでもあれが精一杯でした。あれ以上ドライタイヤで引っ張っていたら、大きくタイムを失っていたと思います」

 また、「予選はGT-R勢のなかでトップでしたけど、決勝はトップにはなれませんでした」と藤波は悔しさを滲ませた。

「ただ、シリーズランキングトップはキープできていますし、今後に向けても61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT)とはポイント差をつけることができたので、良かったと思います。SUGOは61号車が有利だったと思うので、きちんと仕事をこなして、しっかりとポイント差も広げることができました」

 今季残る2戦に向けて「タイトルを獲れるように頑張りたいです」と語った藤波だが、次戦となる第7戦オートポリスに向けては厳しい見立てをしている。

「(ハーフウエイトになり)軽くなるとは言っても僕たちは69kg積むので。今季は第2戦から60kg積んで、ずっとハイウエイトで戦ってきましたのであまり変わらないと思います。最終戦もてぎのノーウエイトまでは我慢ですね」

 また、後半スティントを担当したオリベイラは「4位はいい結果だったと思う。今日のレースはすごく難しかった」と振り返る。

「難しいコンディションだったし、僕のスティントはほとんど荒(聖治)選手の後ろだったから、すごくフラストレーションはあったね(笑)。でもすごくタイヤがよくて、おかげでペースも良かった」

 43周目からステアリングを握ったオリベイラは、30周と長きにわたり7号車Studie BMW M4荒の背中を追う展開となった。73周目に荒を捉え、4位でフィニッシュを迎えたが「本当は表彰台に上がりたかったね」とも口にした。

「次のオートポリスは厳しい戦いになると思う。僕らのクルマはまだウエイトが重いままだからね。でも最終戦は一番勝ちたいね(笑)。まだまだ頑張るよ」

 第6戦を終えて46ポイントを獲得している56号車。獲得ポイント×1.5kgのサクセスウエイトを搭載する第7戦へは69kgを搭載して挑むことになる。61号車とのSW重量差が18kgまで広がるなか、両ドライバーの第7戦へ向けた見立ては厳しい。しかし、ふたりとも最終戦もてぎへ向けては自信を窺わせた。

 2022年シーズンも残るは2戦。順風満帆とは行かないかもしれないが、56号車がタイトル最有力であることに変わりはない。今季これまで重いハンデを乗り越えてきたように、残る2戦での好走に期待したいところだ。

73周目、7号車Studie BMW M4荒聖治をかわし4位に浮上したリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

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