台風14号 岡山に19日夕最接近 昼前に暴風域 線状降水帯の恐れも

列車ホテルの車内で体を休める利用客=18日午後9時42分、JR岡山駅

 台風14号は、岡山県には19日午後3時から9時ごろに最接近する見通し。県内は朝から激しい雨に見舞われる恐れがあり、昼前には暴風域に入るとみられる。岡山地方気象台は「雨、風ともに強くかなり危険な台風。最新の情報に注意して行動してほしい」と、災害への警戒と早めの安全対策を呼びかけている。

 同気象台によると、県内には台風周辺の暖かく湿った空気や台風本体の発達した雨雲が流れ込み、19日の1時間降水量は多いところで南部、北部ともに50ミリに達すると予想。20日午後6時までに予想される24時間降水量は南部、北部ともに最大100~150ミリに上るとみられる。

 最大風速(最大瞬間風速)は北部20メートル(35メートル)、南部25メートル(35メートル)、海上30メートル(45メートル)と予想されている。

 気象庁は、長時間にわたって大雨をもたらす「線状降水帯」が19日に中国地方で発生する恐れがあるとしており、土砂災害や河川の増水・氾濫など災害の危険性が急激に高まる恐れがある。

 同気象台は「最接近と午後7時ごろの満潮時刻が重なる可能性がある。高潮にも厳重に警戒を」などと注意を促している。

 岡山県は19日朝に特別警戒体制に移行し、被害状況などを確認の上、関係部署と対応方針を協議する。

 倉敷市は18日、自主避難を希望する市民を対象に、くらしき健康福祉プラザ(同市笹沖)など市内6カ所に避難所を開設した。

19日、岡山県内のJR全線運休

 台風14号の影響で、18日は西日本を中心に鉄道の運休や空の便の欠航が相次いだ。19日も、JR九州が新幹線、在来線ともに全線で終日運転見合わせを決めたほか、東海道新幹線が夕方から名古屋―新大阪間で運休するなど、各地で交通機関の混乱が続きそうだ。

 岡山県内では18日、岡山桃太郎空港(岡山市)の東京、沖縄線の計3便が欠航。鉄道はJR瀬戸大橋線が午後4時45分ごろから強風のため運休・部分運休となった。JR西日本岡山支社は同日夜、足止めされた同線の乗客向けに岡山駅で5両編成の在来線車両を「列車ホテル」として開放。午後10時現在、約20人が利用した。高速道は、瀬戸中央自動車道児島―坂出インターチェンジ間が午後6時50分から通行止めとなった。

 県内の19日のJR在来線は全10路線が順次運休する。芸備線は始発から、赤穂、姫新、因美線は正午ごろ、残る路線は午後6時ごろから運転を取りやめる。井原鉄道は同2時以降の便を運休・部分運休する。

 岡山空港発着の国内線は、日航が東京、沖縄線の全12便、全日空は東京、札幌線の計12便のうち10便の運航中止を決めた。海の便は、県内と小豆島を結ぶフェリーや日生諸島、笠岡諸島を巡る航路が終日欠航する。高速バスは、両備ホールディングス(岡山市)が関西、四国、山陰方面などへの12路線の運休を決めた。

 九州新幹線は熊本―鹿児島中央間で18日始発から、博多―熊本間では日中から運休となった。台風の影響は首都圏にも及び、東海道新幹線は午前中、新横浜―小田原間で雨量が基準を超えて一時運転を見合わせた。

 空のダイヤも乱れ、18日の国内線は九州の発着便を中心に日航が300便以上、全日空が200便以上を欠航。計3万5千人超に影響が出た。

 19日はJR九州が全線運休するほか、JR西日本は山陽新幹線の広島―博多間の運転を始発から取りやめ、新大阪―広島間は本数を減らす。JR東海は、東海道新幹線の名古屋―新大阪間を午後4時から終電にかけて運休し、東京―名古屋間も本数を大幅減とする。JR東日本は、各新幹線で遅れや運休の可能性があるとしている。

 新幹線の運休を受け、18日、JR岡山駅では、切符の払い戻しや変更を求める利用者がみどりの窓口に長い列をつくった。旅行を1日短縮し、急きょ新大阪駅まで帰る会社員(24)=大阪市=は「日程が短くなったのは残念だが、なんとか帰宅できそう」と話した。

 空の便は国内線計600便以上の欠航が決まっている。

払い戻しや変更を求めてJR岡山駅のみどりの窓口に並ぶ利用者=18日午後4時35分

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